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ブラッサイ パリの越境者

出版社名 白水社
出版年月 2007年3月
ISBNコード 978-4-560-02709-7
4-560-02709-9
税込価格 4,950円
頁数・縦 352,55P 22cm

商品内容

要旨

サントリー学芸賞、渋沢・クローデル特別賞、日本写真協会賞学芸賞受賞の著者によるブラッサイ論の決定版。写真/彫刻/デッサン/版画/映画/バレエ/文学とさまざまなジャンルで活動を続けたブラッサイ。精選した20枚のイマージュから、彼を貫く2つの「想像力」を解き明かしていく画期的な一冊。

目次

乳母との肖像
シャモニーのブラッサイ
アルムノンヴィル館
スージーの館
ある男が路上で死んだ
巧まざる彫刻
公衆便所
コンシエルジュ
ローマ駅
デッサン―裸婦
ピカソの彫刻「死者の頭」
彫刻―うずくまる女
聖アントワーヌの誘惑
割れた鏡
バレエ・ランデヴー
ジャコメッティ1948年
太陽王
落書きの宇宙
トランスミュタシオン
モンマルトルの坂を降りる犬

出版社
商品紹介

「夜のパリ」で有名なブラッサイは、写真だけでなく、版画や文学などさまざまな表現を試みた。彼がめざしたものは何だったのか。

おすすめコメント

1899年9月9日、トランシルヴァニアの都市ブラッショーで、ブラッサイこと、ジュラ・ハラースは生まれた。トランシルヴァニアは現在はルーマニア領だが、第一次世界大戦までは約一千年間ハンガリー領であった。ハンガリー語では「エルデーイ」(森の彼方)と呼ばれるこの土地からは、「ハンガリーのボードレール」と言われる国民的詩人エンドレ・アディや建築家カーロイ・コーシュらも輩出し、この地はハンガリー文化にとって重要な意味をもつ。ブラッショーは1919年以降、ブラショフとルーマニア名に変更された(50〜61年にはスターリン)。この消失した「ブラッショー」という名の記憶をみずからの名として一生留めながらも、1984年7月7日に八十五年の生涯を閉じるまで、二度とその地を踏むことのなかった写真家ブラッサイ。彼はその残りの人生の大半をパリで過ごすことになる。当初、画家をめざしながらも、さまざまな精神的危機を乗り越え、1932年に第一写真集『夜のパリ』を出版する。しかし、その後、写真のみならず、彫刻やデッサン、映画やバレエ、文学など、さまざまな領域の創作活動をつづけていくことになる。ブラッサイがもとめていたものは何だったのか。精選した二十枚のイマージュ(図版)から、さまざまなジャンルで活動を続けたブラッサイを貫く二つの「想像力」を解き明かしていく画期的な一冊。サントリー学芸賞、渋沢・クローデル特別賞、日本写真協会賞学芸賞受賞の著者によるブラッサイ論の決定版。

著者紹介

今橋 映子 (イマハシ エイコ)  
1961年東京生まれ。1984年学習院大学フランス文学科卒業。87年東京大学大学院比較文学・比較文化専攻修士課程修了。89‐90年パリ第四大学大学院留学。92年東京大学大学院博士課程修了、博士(学術)。筑波大学文芸・言語学系専任講師を経て、98年より東京大学大学院総合文化研究科助教授。専門は比較文学・比較文化。著書に、『異都憧憬 日本人のパリ』(柏書房、1993/平凡社ライブラリー、2001)(1994年度サントリー学芸賞および渋谷クローデル特別賞受賞)、『“パリ写真”の世紀』(白水社、2003)(2003年度重森弘淹写真評論賞、2004年度島田謹二記念学藝賞および日本写真協会賞学芸賞受賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)