• 本

ジャガイモの世界史 歴史を動かした「貧者のパン」

中公新書 1930

出版社名 中央公論新社
出版年月 2008年1月
ISBNコード 978-4-12-101930-1
4-12-101930-X
税込価格 924円
頁数・縦 243P 18cm

書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  • ジャガイモと巡る歴史の旅

     現代の日本においては副菜として、どちらかというと地味な地位にあるジャガイモは、
    場所と時代を変えれば、或いは荒涼とした大地において、或いは飢饉の中にあって、
    主食として諸民族を救った救国の作物であった。

     北海道、インカ帝国、アイルランドと所を変え、また、産業革命、第二次世界大戦、
    そしてソヴィエト崩壊と時代を変え、人々を救ってきたジャガイモの来歴と、それに
    まつわる人々の歴史を探る。

     ジャガイモと足尾銅山のつながりとは何か、「ドイツ料理といえばジャガイモ」とも
    言われるドイツにおいてジャガイモはいかなる役割を果たしたか、過酷を極めた
    シベリア抑留者にとってのジャガイモとは、そして男爵イモの由来はどこにあるのか…。
    実に数えきれない程のエピソードがジャガイモを通じて明らかにされる。

    (2012年12月14日)

商品内容

要旨

南米生まれのジャガイモは、インカ帝国滅亡のころ、スペインに渡った。その後、フランスやドイツの啓蒙君主たちも普及につとめ、わずか五百年の間に全世界に広がった。赤道直下から北極圏まで、これほど各地で栽培されている食物もない。痩せた土地でも育ち、栄養価の高いジャガイモは「貧者のパン」として歴史の転機で大きな役割を演じた。アイルランドの大飢饉、北海道開拓、ソ連崩壊まで、ジャガイモと人々をめぐるドラマ。

目次

第1章 オホーツク海のジャガイモ
第2章 ティティカカ湖のほとりで―ジャガイモ発祥の地
第3章 ペルー発旧大陸行き―そしてジャガイモは広がった
第4章 地獄を見た島―アイルランド
第5章 絶対王制とジャガイモ
第6章 産業革命と「貧者のパン」
第7章 現代史のなかのジャガイモ、暮らしのなかのジャガイモ
第8章 日本におけるジャガイモ
終章 「お助け芋」、ふたたび?

著者紹介

伊藤 章治 (イトウ ショウジ)  
1940年(昭和15年)、旧満州(現・中国東北部)に生まれる。1964年、名古屋大学法学部卒業。中日新聞社(東京新聞)社会部、バンコク支局、文化部勤務などを経て、1998年、編集委員兼論説委員。2001年から桜美林大学教授。専攻・環境史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)