• 本

労働力動員と強制連行

日本史リブレット 99

出版社名 山川出版社
出版年月 2009年8月
ISBNコード 978-4-634-54711-7
4-634-54711-2
税込価格 880円
頁数・縦 90P 21cm

商品内容

要旨

アジア太平洋戦争は、日本が初めて推進する総力戦であった。総力戦とは、国家の総力(軍事力・経済力・精神力)をあげた戦争のことである。経済力については、軍需生産を拡大させることを目的に、徹底した統制経済が推し進められた。しかし、これまでの研究では、統制経済の重要な一環をなす労働の統制、すなわち国家による労働力動員政策については、ほとんど顧みられることはなかった。また、朝鮮人・中国人強制連行については、戦時期の歴史上の一齣(ひとこま)としてとらえられてきたように思われる。こうした状況をふまえて、戦時期の労働統制政策について、労働力動員政策と強制連行政策を中心に検討する。

目次

総力戦としてのアジア太平洋戦争
1 労働力動員(労務動員計画の作成
小学校(国民学校)・中等学校新卒者
学校在学者
農民・農村民
中工商工業者
女性
供給源別動員数)
2 朝鮮人強制連行(朝鮮人強制連行政策の成立
官斡旋による強制連行政策
「移入」朝鮮人の出身道と職業・年齢
「移入」朝鮮人の人数とその産業別構成
「移入」朝鮮人の企業別構成
皇民化政策
労務管理政策と賃金
逃亡
労働争議)
3 中国人強制連行(中国人強制連行政策の成立
中国人強制連行の組織
出身地・年齢と「前歴」
「移入」中国人の産業別・企業別構成
抑圧的・暴力的労務管理
賃金/劣悪な生活状態
死亡と疾病)
4 「動員と強制連行」の破錠―「帝国」と日本の敗戦へ(労働力動員の破錠
朝鮮人強制連行体制の崩壊
中国人強制連行体制の動揺)

出版社
商品紹介

太平洋戦争のもと、軍需産業や重要産業を担った労働者は、どのように動員、調達されたのか。戦時日本経済を労働の側面から解明する。

著者紹介

西成田 豊 (ニシナリタ ユタカ)  
1948年生まれ。一橋大学大学院経済学研究科博士課程。専攻、近現代日本経済史。現在、一橋大学大学院経済学研究科教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)