• 本

人は愛するに足り、真心は信ずるに足る アフガンとの約束

出版社名 岩波書店
出版年月 2010年2月
ISBNコード 978-4-00-024501-2
4-00-024501-5
税込価格 2,310円
頁数・縦 242P 20cm

書店レビュー 総合おすすめ度: 全2件

  • アフガニスタンの荒涼な大地で1本のシャベルを手に水を引き、大地を潤してきた医師、中村哲氏だからこその憂いであり、怒りであり、希望が凝縮された1冊だ。 正義の名のもとに長い間、そして今現在もアメリカをはじめ、日本を含めた国際社会という名の空虚な存在に苦しめられているアフガニスタン。氏は言う。「アフガンの人々がほしいものは何よりも水です。戦車でも武器でもない。水があれば食事ができ、家族が同じところで幸せに暮らせる。アフガンの人は日本人のように欲望が大きくない。水。それだけで良いのです」アフガンにはアフガンの暮らし、文化、伝統がある。そんな土地に土足で上がりこみ、正義という価値観を押し付けることの傲慢さ。「人の役に立つ」とはどういうことなのか、「人の幸せとは何なのか」。本書は作家の澤地久枝氏との対談で進むが、中村氏の生い立ちや家族のことなどまで深く、細かく語られている。きっとあなたの胸にも氏を通してアフガンからのメッセージが届くはずだ。

    (2014年1月10日)

  • 日本人で平和のことを一番知っている医師

    アフガニスタンにかかわって25年のペシャワール会の中村哲氏は、人間だけでなく社会全体を診る医師です。「三度のご飯が食べられること。それと、家族が仲良く故郷で一緒に生活できること」という平和の定義はとても簡単でわかり良い。この当たり前のことが世界中でできることを、アフガンの地にてモデル創りをしている中村氏に脱帽です。

    (2010年4月14日)

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商品内容

要旨

オバマ大統領に送る平和へのメッセージ。戦乱と干ばつに苦しむアフガンの地で“命の水路”を切りひらく日本人医師の崇高な闘い。

目次

1 高山と虫に魅せられて(ペシャワールとの縁
二〇〇一年十月、衆議院 ほか)
2 アフガニスタン、命の水路(よみがえる大地
「時差」四時間半 ほか)
3 パシュトゥンの村々(復讐の掟
「戦争」の名分 ほか)
4 やすらぎと喜び(日々の楽しみ
生きものたち ほか)

出版社
商品紹介

戦乱と劣悪な自然環境に苦しむアフガンの地で、人々の命を救うべく奮闘する医師の平和へのメッセージ。

出版社・メーカーコメント

一人の医師をそこまで駆り立てるものは何か.アフガンの平和と復興のためには何がなされるべきで,何をしてはならないのか.パキスタンでの医療援助活動を開始して以来25年.いまアフガニスタンの平和と復興のために身命を賭して活動する中村医師が,良き聞き手を得て,戦争と地球環境の悪化がもたらす劣悪な生存条件をいかにして変えるべきか,自らの個人史的背景とともに,その熱い思いを語った貴重な発言録.

著者紹介

中村 哲 (ナカムラ テツ)  
1946年生まれ。医師。PMS(ペシャワール会医療サービス)総院長。1984年、パキスタン北西部の都市ペシャワールに赴任し、ハンセン病の治療やアフガン難民の診療に従事。近年は、ペシャワール会現地代表として、アフガニスタンにおける水路建設など復興事業の先頭に立つ。若月賞やマグサイサイ賞など受賞多数
澤地 久枝 (サワチ ヒサエ)  
1930年生まれ。作家。編集者生活ののち、1972年、『妻たちの二・二六事件』を著して作家として出発。『火はわが胸中にあり』(日本ノンフィクション賞)、『記録ミッドウェー海戦』『滄海よ眠れ』(ともに菊池寛賞)など、著作多数。朝日賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)