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「江戸前」の魚はなぜ美味しいのか

祥伝社新書 199

出版社名 祥伝社
出版年月 2010年4月
ISBNコード 978-4-396-11199-1
4-396-11199-1
税込価格 858円
頁数・縦 250P 18cm

出版社・メーカーコメント

世界一の汽水域 東京湾の秘密 湾内で捕れる食用の魚だけで82種も。 面積当たり世界一の漁獲高を誇った過去を持ち、いまなお現役。 種類も量もこんなに捕れる! アジ・サバ・タイ・スズキ・カレイ・サヨリ アナゴ・ウナギ・サワラ・イカ・ボラ・カニ シャコ・カキ・ハマグリ・アサリ・シジミ…… どれもが、かつて東京湾で日本一の漁獲高となったことがありました! 限りなく埋立てを続ける江戸前の海には、臨海副都心ができ、湾岸道路や鉄道の高架が走り、羽田空港も拡張し、ゴミの埋立て処理場としても限界に近づきつつある。誰が見たって、もう江戸前の面影なんかほとんどない。 では、本当に江戸前の海は死んでしまったのだろうか? 浅瀬が埋め立てられても、海が汚染されても、魚たちは健気(けなげ)に生き続けている。ただその姿が見えないだけなのだ。だから、江戸前の伝統漁法を引き継ぐ漁師もいる。釣り船もある。わずかな浜辺には貝類やカニだって無数にいる。 (本文より) ■東京湾は、豊饒の海だった! 昭和30年代、日本は漁業の総水揚げ量が年間200万トンを超え、世界一の水産大国だった。そのうちの3万トン以上が江戸前の海・東京内湾(ないわん)で捕(と)れたもの。狭い東京湾は日本一の漁場で、面積当たりの漁獲量でいえば世界一の海だった。昭和38年には江戸前の海の漁業権が放棄されたが、近年は水質も甦(よみがえ)り、今なお魚類の宝庫であり続けている。だが、中型魚の王様・スズキが大量に捕れ、コハダが大群をもって泳ぎ渡り、フグ釣りがブームに沸いていることを知る人は少ない。 江戸前の魚は鮨(すし)や天麩羅(てんぷら)の種(たね)となって人々に愛され続けてきた。その美味(おい)しさの秘密に迫りながら、豊かな海・東京湾の歴史と現状を徹底的に考察。一読、江戸前の魚が食べたくなる東京湾ガイド!