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恋文・私の叔父さん

新潮文庫 れ−1−4

出版社名 新潮社
出版年月 2012年2月
ISBNコード 978-4-10-140520-9
4-10-140520-4
税込価格 572円
頁数・縦 270P 16cm

書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  • あの日、あの時、あの場所で。いつも一冊の文庫本がそこにいた。

    まだ携帯電話がなかった学生時代、私はいかなるときでも文庫本を持参していた。大学生当時、好意を持っていた女性がこの本に目を留めた。すかさず、こう切り出す。「この本は短編集なんだけど、『ピエロ』っていう話に出てくる男性は俺に似てるんだよ」「じゃあ読んであげようか」。後日、彼女は「嘘つき」といたずらに笑った。そのまぶしい笑顔を見て、この恋は成就する、と確信した。彼女、今頃どうしてるかなぁ、と甘酸っぱくも振り返る20 年後の私。若者よ、本を読もう! そして、恋をしよう!

    (2013年3月12日)

商品内容

要旨

マニキュアで描いた花吹雪を窓ガラスに残し、部屋を出ていった歳下の夫。それをきっかけに、しっかり者の妻に、初めて心を許せる女友達が出来たが(「恋文」)。二十一の若さで死んだ、姉の娘。幼い子供を抱いた五枚の写真に遺された、姪から叔父へのメッセージとは(「私の叔父さん」)。都会の片隅に暮す、大人の男女の様々な“愛のかたち”を描く五篇。直木賞受賞。

著者紹介

連城 三紀彦 (レンジョウ ミキヒコ)  
1948(昭和23)年、愛知県生れ。大学在学中、『変調二人羽織』で「幻影城」新人賞受賞。’81年、『戻り川心中』で日本推理作家協会賞受賞。’84年、『宵待草夜情』で吉川英治文学新人賞受賞、同年、『恋文』で直木賞受賞。’96(平成8)年、『隠れ菊』で柴田錬三郎賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)