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灰色の虹

新潮文庫 ぬ−1−3

出版社名 新潮社
出版年月 2013年11月
ISBNコード 978-4-10-149913-0
4-10-149913-6
税込価格 1,034円
頁数・縦 730P 16cm

書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  • 人が人を裁くことの難しさ、痛感します

    冤罪で刑に服し、家族も恋人も何もかも失った江木雅史の復讐劇。無実だった江木は、殺人者という重罪人に変貌していきます。江木を犯人に陥れた刑事、検察官、裁判官、弁護士、一人また一人と殺されていきます。冤罪ありきで始まる作品ですが、無実の罪を着せたという意識は誰にもなく、職務を忠実に遂行しただけです。復讐に至る殺人の手法に関しては疑問符も付きますが、人が人を裁くことの難しさや、その誤謬をあり得ることと実感させる筆力に敬服します。最後にちょっとしたサプライズもあります。(mogi)

    (2014年1月23日)

商品内容

要旨

身に覚えのない上司殺しの罪で刑に服した江木雅史。事件は彼から家族や恋人、日常生活の全てを奪った。出所後、江木は7年前に自分を冤罪に陥れた者たちへの復讐を決意する。次々と殺される刑事、検事、弁護士。次の標的は誰か。江木が殺人という罪を犯してまで求めたものは何か。復讐は決して許されざる罪なのか。愛を奪われた者の孤独と絶望を描き、人間の深淵を抉る長編ミステリー。

著者紹介

貫井 徳郎 (ヌクイ トクロウ)  
1968(昭和43)年、東京生れ。早稲田大学卒。’93(平成5)年、鮎川哲也賞の最終候補作『慟哭』でデビュー。2010年、『乱反射』で日本推理作家協会賞長編及び連作短編集部門、『後悔と真実の色』で山本周五郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)