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九州大学生体解剖事件 七〇年目の真実

出版社名 岩波書店
出版年月 2015年4月
ISBNコード 978-4-00-061039-1
4-00-061039-2
税込価格 2,090円
頁数・縦 205P 20cm

商品内容

要旨

軍の命令か、医の倫理の逸脱か―。終戦直前の一九四五年春、名門大学医学部で行なわれたおぞましい「実験手術」により、米軍捕虜八人が殺された。当時、医学部第一外科の助教授であった鳥巣太郎は、この生体実験手術に抵抗し、四回あった手術のうち参加したのは最初の二回(正確には一回半)であった。しかし、戦後に行なわれた「横浜裁判」で、首謀者の一人として死刑判決を受けた。鳥巣は苦悩の末、死を受容する心境に達したが、鳥巣の妻・蕗子は様々な妨害をはねのけ、再審査を請求し、減刑を勝ち取った。本書は、鳥巣の姪である著者が、膨大な戦犯裁判記録のほか、知られざる再審査資料、親族の証言などを基に、語り得なかったその真実を明らかにするものである。

目次

第1章 生体実験(九大医学部第一外科
「捕虜は適当に処置せよ」
これは実験手術だ)
第2章 告発(敗戦
告発
逮捕
西部軍と医学部の共同行為としての生体実験)
第3章 B級戦犯裁判「九大生体解剖事件」(巣鴨プリズン
救援活動
裁判開始
スケープゴート
被告人証言
死刑判決)
第4章 再審査(再審査の闘い
死と向き合って
対決
減刑)
終章 伯父と私

出版社
商品紹介

医師たちの戦争犯罪、その首謀者として死刑判決を受けた鳥巣太郎氏の姪が、知られざる真実を明らかにする。

著者紹介

熊野 以素 (クマノ イソ)  
1944年生まれ。1969年、大阪市立大学法学部法学科卒業。大阪府立高校社会科教諭を勤めたのち、2004年、大阪市立大学大学院修士課程修了。専門は社会保障法学、とくに介護保険制度。社会保障法学会会員。「九条の会・豊中いちばん星」呼びかけ人(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)