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ウィントン・マルサリスは本当にジャズを殺したのか?

出版社名 シンコーミュージック・エンタテイメント
出版年月 2015年8月
ISBNコード 978-4-401-64173-4
4-401-64173-6
税込価格 1,980円
頁数・縦 270P 20cm

商品内容

要旨

「マイルス・デイヴィスに最も近い日本人」と言われ、マイルスに関する多くの著書を書き続けた中山康樹が急逝。あとに残された原稿は、意外にもウィントン・マルサリスのジャズを論じたものだった。日本のジャズファンが忘れ去った天才に、中山が最後にこだわったのはなぜか?ウィントンのなにが、病床の中山を鼓舞したのか?この「謎」は解けるのか?

目次

「ジャズのない時代」に生まれたジャズ・ミュージシャン
1981年7月、東京
許されざる黒さ(Unforgivable Blackness)
クラシックvsジャズ
ジャズを知らないジャズ・メッセンジャー
ウィントン・マルサリスの肖像
ウィントン・マルサリス作品体系(序)
ウィントン体制の確立
ジャズ帝国:ジャズ・アット・リンカーン・センターの歴史と全貌
「グループ」としての変遷と挑戦
ウィントン・マルサリスが変えたもの
そして誰もいなくなった?
アメリカン・ミュージックとしてのジャズ
ウィントン・マルサリスはジャズを殺したのか

おすすめコメント

2015年1月に急逝したジャズ評論家・中山康樹の「遺作」 80年代の幕開けとともに登場した、稀代のトランぺッター=ウィントン・マルサリス。ジャズばかりでなくクラシックの世界でも目覚ましい活躍を見せ、本国アメリカでは9つのグラミー賞を受賞している。また、初めてジャズ・ミュージシャンとしてピューリッツァー賞音楽部門も受賞、演奏やソングライティングの実力、そして人気も評価も超一流だ。懐も深く、エリック・クラプトンやウィリー・ネルソンなどとジャンルを超えて共にプレイしている。そんなウィントンだが、日本ではいつしかそれとは落差の大きい状態となってしまった。人気も評価もそれほど高くはなく、いわば「忘れ去られそうな天才ジャズマン」という位置づけになっている。「スイングジャーナル」編集長時にウィントンを「新伝承派」として猛烈にプッシュした中山康樹は、いま改めてそのキャリアのすべてを生い立ちから検証、ウィントンの魅力と実績を積み上げていく。ウィントンの兄ブランフォードをして「日本人はジャズを理解していない」と言わしめた、その日本人のジャズ観、そしてジャズとの向き合い方にも同時に迫っていく──「ジャズ史の見直し」を提唱していた中山が、精魂を傾けて最後に書き上げた問題提起の書。ジャズ・ファン必読の一冊。

著者紹介

中山 康樹 (ナカヤマ ヤスキ)  
音楽評論家。1952年、大阪生まれ。ジャズ雑誌「スイングジャーナル」の元編集長。マイルス・デイヴィスの音楽に傾倒、個人的な交流も深く「マイルスに最も近い日本人」と言われた。ジャズをはじめ、ロック、ビートルズ、ホブ・ディランなど、多岐にわたり、独特の視点、親しみやすい文体で論じ、25年間で100冊以上を出版。2015年1月28日、62歳で死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)