• 本

総統は開戦理由を必要としている タンネンベルク作戦の謀略

出版社名 白水社
出版年月 2017年1月
ISBNコード 978-4-560-09533-1
4-560-09533-7
税込価格 3,300円
頁数・縦 258,3P 20cm

商品内容

要旨

ヒトラー体制の本質が見える、「第二次大戦の発火点」の真相を糾明。「開戦の口実」とするための行動をヒトラーから命じられ、ヒムラーとハイドリヒが計画・推進した「タンネンベルク作戦」。西独検察による尋問記録を元に、謀略の全体像を再構成した、迫真のドキュメント。付録、地図・写真収録。

目次

第1部 「総統は開戦理由を必要としている」―偽襲撃事件の計画立案(ヒトラーからの指示―ヒムラーとハイドリヒによる検討
一九三九年八月八日のベルリンでの準備会議 ほか)
第2部 「よろしい、では君は彼を私服で手に入れるのだ」―「缶詰」として囚人を用意(ゲシュタポ局長ミュラーによる準備措置
ザクセンハウゼン強制収容所からの囚人の移送(「缶詰」行動) ほか)
第3部 「君はまったく気が狂っている」―出撃地点への各隊の配置と保全措置・一九三九年八月二五日のホーホリンデン隊の早すぎた決行とその結末(グライヴィッツで隊長ナウヨックスのとった措置
ホーホリンデン隊とピッチェン隊の出撃地点への進出 ほか)
第4部 「祖母死す」―「アガーテ」偽襲撃(グライヴィッツ放送局
ホーホリンデン税関 ほか)

おすすめコメント

「第二次大戦の発火点」の真相を糾明 1939年9月1日、ヒトラーがポーランド侵攻を命じた理由としたのが、8月31日、「グライヴィッツ放送局」をポーランド側が襲撃した事件であった。しかしこれは、ヒムラーやハイドリヒが計画した「捏造事件」であり、自作自演の襲撃であった。本書は、「第二次大戦の発火点」となったこの事件を中心に、「ホーホリンデン税関」、「ピッチェン営林署」への同様の事件の全体像を、戦後に西独検察が行った尋問調査を元に再構成した、迫真のドキュメントだ。元ニュルンベルク裁判米次席検察官、ロバート・ケンプナーは、「本書には大きな歴史的意義がある。証言を通じて本書が初めて明らかにしたことは、いかにヒトラーが、ヒムラーとハイドリヒの助けをかりて、第二次大戦開始の口実とするための行動を命じたか、という点である」、と「緒言」で述べている。本書はまさに、ヒトラー体制の本質が見える、これら事件の真相を明らかにした記録といえるだろう。著者のシュピースは元西独地方検事正、リヒテンシュタインはケルンの「西ドイツ放送」の現代史関係の編集者。付録(ニュルンベルク裁判記録など)と図版・写真収録。

著者紹介

シュピース,アルフレート (シュピース,アルフレート)   Spiess,Alfred
元西独デュッセルドルフ地検検事正
リヒテンシュタイン,ハイナー (リヒテンシュタイン,ハイナー)   Lichtenstein,Heiner
ケルンの「西ドイツ放送」の現代史関係の編集者
守屋 純 (モリヤ ジュン)  
1948年生まれ。早稲田大学卒。現在、中部大学講師、国際関係史専攻(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)