• 本

岩佐又兵衛と松平忠直 パトロンから迫る又兵衛絵巻の謎

岩波現代全書 103

出版社名 岩波書店
出版年月 2017年6月
ISBNコード 978-4-00-029203-0
4-00-029203-X
税込価格 2,750円
頁数・縦 278P 19cm

商品内容

要旨

特異な表現によって浮世絵の創始者とされる岩佐又兵衛。この天才絵師が関わったとされる数々の作品のなかでも、長大な「又兵衛絵巻群」にはとりわけ異様な魅力がある。この絵巻群の魅力を生んだ根源は何か。これまで主流を占めていた美術史的な分析にかわって、本書は絵画史料論的アプローチによって岩佐又兵衛の絵巻群に迫る。「又兵衛風絵巻群」を読み解く鍵は注文主のパトロン松平忠直にあった。絵巻群に込められた忠直卿の思いとは?

目次

プロローグ 注文主を中心とした絵画史料読解
第1章 「又兵衛風絵巻群」とこれまでの美術史研究
第2章 絵画史料論からの疑問と批判点
第3章 「定説」に対する異論の登場
第4章 忠直の教養・趣味・娯楽と又兵衛の越前下向
第5章 松平忠直の年代記―誕生から「隠居」まで
第6章 忠直が絵巻化した物語群とは何か
第7章 配流地の忠直と『熊野権現縁起絵巻』の奉納
第8章 一世・二世・三世の“契り”と倫理的転換
エピローグ 金色烏帽子の主人公と松平忠直

おすすめコメント

又兵衛風絵巻群とは何か。この謎の多い絵巻群の「実像」に、パトロンから迫っていく絵画史料論の試み。

著者紹介

黒田 日出男 (クロダ ヒデオ)  
1943年生。東京大学名誉教授。文学博士(早稲田大学)。東京大学史料別纂所教授・同所長・同附属画像史料解析センター長を経て、立正大学教授・群馬県立歴史博物館館長などを歴任。専門は、日本中世史・近世史と絵画史料論・歴史図像学(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)