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岡本太郎の東北

Shogakukan Creative Visual Book

出版社名 小学館クリエイティブ
出版年月 2017年6月
ISBNコード 978-4-7780-3610-2
4-7780-3610-7
税込価格 2,750円
頁数・縦 111P 29cm

おすすめコメント

岡本太郎が東北に見出した縄文精神の片影 1957年2月。早朝の秋田駅に降り立った岡本太郎はいきなりシャッターを切りはじめた。ホームで“都会には絶対にいない、ぶ厚く、逞しく、優しい表情の原日本人”たちと出会ったからだ。同じ日に見た「なまはげ」には人間と霊が自在に交信する“原始日本”が宿っていた。目に見えない力と交信する“呪術の心”だ。東北に魅了された太郎は6月に岩手を訪れ、守り刀の装飾に蝦夷を見出し、「鹿踊り」に狩猟時代の名残りを感知する。そこに見たのは自然と溶けあって生きる縄文人の気配だった。1962年7月には青森へ。イタコやおしらさまを取材して「オシラの魂―東北文化論」にまとめ、10月には山形で修験道を考察。1964年には『神秘日本』を上梓して独自の東北論を世に問う。東北で原始日本の片影に触れた太郎は、日本人の血の中にいまも縄文の心が宿っていることを確信したにちがいない。東北で現日本のたしかなイメージをつかんだことが、その後の太郎の進路を決定づけた。この記録は“岡本太郎の眼”を追体験する貴重なドキュメントであると同時に、いまはなき日本を生々しく伝える得がたい史料だ。

出版社・メーカーコメント

岡本太郎が東北に見出した縄文精神の片影1957年2月。早朝の秋田駅に降り立った岡本太郎はいきなりシャッターを切りはじめた。ホームで“都会には絶対にいない、ぶ厚く、逞しく、優しい表情の原日本人”たちと出会ったからだ。同じ日に見た「なまはげ」には人間と霊が自在に交信する“原始日本”が宿っていた。目に見えない力と交信する“呪術の心”だ。東北に魅了された太郎は6月に岩手を訪れ、守り刀の装飾に蝦夷を見出し、「鹿踊り」に狩猟時代の名残りを感知する。そこに見たのは自然と溶けあって生きる縄文人の気配だった。1962年7月には青森へ。イタコやおしらさまを取材して「オシラの魂―東北文化論」にまとめ、10月には山形で修験道を考察。1964年には『神秘日本』を上梓して独自の東北論を世に問う。東北で原始日本の片影に触れた太郎は、日本人の血の中にいまも縄文の心が宿っていることを確信したにちがいない。東北で現日本のたしかなイメージをつかんだことが、その後の太郎の進路を決定づけた。この記録は“岡本太郎の眼”を追体験する貴重なドキュメントであると同時に、いまはなき日本を生々しく伝える得がたい史料だ。

著者紹介

岡本 太郎 (オカモト タロウ)  
芸術家。1911年生まれ。29年に渡仏し、「アブストラクシオン・クレアシオン(抽象・創造)協会」に参加するなど30年代のパリで前衛芸術運動に参画。パリ大学でマルセル・モースに民族学を学び、ジョルジュ・バタイユらと活動をともにした。40年帰国。戦後日本で前衛芸術運動を展開し、問題作を次々と社会に送り出す。51年に縄文土器と遭遇し、翌年「縄文土器論」を発表。50年代後半には日本各地を取材し、数多くの写真と論考を残した。70年大阪万博のテーマプロデューサーに就任
平野 暁臣 (ヒラノ アキオミ)  
空間メディアプロザューサー/岡本太郎記念館館長。1959年生まれ。岡本太郎創設の現代芸術研究所を主宰し、空間メディアの領域で多彩なプロデュース活動を行う。2005年岡本太郎記念館館長に就任。「明日の神話」再生プロジェクトにつづいて、岡本太郎生誕百年事業「TARO100祭」を率いた(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)