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小説と〈歴史的時間〉 井伏鱒二・中野重治・小林多喜二・太宰治

出版社名 世織書房
出版年月 2018年2月
ISBNコード 978-4-902163-96-4
4-902163-96-9
税込価格 3,740円
頁数・縦 300,6P 22cm

商品内容

要旨

四人の作者…井伏鱒二×中野重治×小林多喜二×太宰治…を列する居心地の悪さに近代文学研究という制度の枠、その政治性を気鋭の研究者が問い直す。

目次

小説、時間、歴史
第1部 “歴史的時間”を召喚する“循環的時間”(小説が書き直される間―井伏鱒二「幽閉」(一九二三)から「山椒魚」(一九三〇)への改稿問題を中心に
「私」を拘束する時間―井伏鱒二「谷間」(一九二九)を中心に
持続可能な抵抗が模索される時間―小林多喜二「蟹工船」(一九二九)と井伏鱒二「炭鉱地帯病院―その訪問記」(一九二九)を中心に
アレゴリーを読む時間―井伏鱒二「洪水前後」(一九三二)を中心に)
第2部 小説の空所と“歴史的時間”(××を書く、読む時間―小林多喜二『党生活者』(一九三三)
小説の書けぬ時間―中野重治「小説の書けぬ小説家」(一九三六)を中心に
疑惑を生み出す再読の時間―太宰治『新ハムレット』(一九四一)論
占領地を流れる時間―井伏鱒二「花の町」(一九四二)を中心に)
第3部 “断絶的時間”に対抗する“連続的時間”(“断絶”と“連続”のせめぎ合い―太宰治『パンドラの匣』(一九四五〜一九四六)論
語ることが「嘘」になる時間―太宰治「嘘」(一九四六)論
いま、「少しもわからない」小説―太宰治「女神」(一九四七)を中心に
革命の可能性が問われる時間―太宰治『冬の花火』(一九四六)から『斜陽』(一九四七)へ)
“歴史的時間”の獲得としての読書

著者紹介

金 ヨンロン (キン ヨンロン)  
1984年、韓国ソウル市生まれ。2017年2月、東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻博士課程修了、博士(学術)。専門は、日本近現代文学。ボストン大学客員研究員を経て、早稲田大学文学学術院客員次席研究員(研究院客員助教)、津田塾大学非常勤講師(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)