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新しい1キログラムの測り方 科学が進めば単位が変わる

ブルーバックス B−2056

出版社名 講談社
出版年月 2018年4月
ISBNコード 978-4-06-502056-2
4-06-502056-5
税込価格 1,100円
頁数・縦 246P 18cm

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要旨

2018年11月、世界の科学研究や産業、社会に重要な影響を与える「130年ぶりの改定」が決定し、翌年5月20日から実行される予定だ。メートル法における「質量の単位の定義」である。1889年から現在まで、質量の単位「キログラム」の基準は、フランス・パリ郊外に厳重に保管されている「国際キログラム原器」の質量とされてきた。だがその原器の精度に、ごくわずかながら狂いが生じてきている。そこで量子力学など最新の科学研究や測定技術の向上をもって、より正確で不変の基準(定義)に変えようというのが今回の決定だ。本書では、なぜ新しい定義が必要なのか、どのような定義に変わるのか、といった疑問に答えながら、そもそも単位とはどういうものか、新たな定義に向けて世界のメトロロジスト(計量学者)たちや国際機関がいかなる挑戦と努力をしてきたかを説き明かしている。著者は、日本の国家計量標準機関(NMI)である国立研究開発法人産業技術総合研究所計量標準総合センターのセンター長で、2012年より国際度量衡委員を務める。
※要旨の情報〔社会情勢、著者経歴など〕は、作成日当時のものです。
以降内容が変わっている場合があります。[要旨作成日:2018年05月29日]

商品内容

要旨

1889年のメートル条約決議以来、世界中のあらゆる「重さ」の基準であった「国際キログラム原器」がその役目を終えようとしています。なぜ新しい定義が必要なのか?単位を決めるとはどういうことなのか?数億分の1をめぐる計測の世界で展開されるメトロロジスト(計量学者)の挑戦を追えば、そこには「単位」と「科学」の深い関係が見えてきます。

目次

第1章 計測の基本―単位とは、測るとは
第2章 メートル法の誕生―すべての時代にすべての人々に
第3章 地球から光へ―メートル定義の変遷
第4章 原器から原子へ―キログラム原器の受難
第5章 メートル法から国際単位系へ―あらゆるものを測定対象に
第6章 量子力学と相対性理論の時代―宇宙をつらぬく法則
第7章 量子標準の時代―取り残されるキログラム
第8章 原器から光子へ―キログラムと光をつなぐ天秤
第9章 新しいキログラムへの道―動き出した国際プロジェクト
第10章 一気にゴールへ―メトロロジストたちの奮闘
第11章 定義改定がもたらすもの―すべての時代にすべての人々に

おすすめコメント

今年、キログラムの定義が変わります! 新しい「1kg」はどうやって決められたのか?そこに単位と科学の深い関係が見えてきます。

著者紹介

臼田 孝 (ウスダ タカシ)  
1962年生まれ。長野県出身。国立研究開発法人産業技術総合研究所計量標準総合センター長。1987年東京工業大学総合理工学研究科修士課程修了。新日本製鐵株式会社(現新日鐵住金株式会社)を経て、1990年通商産業省工業技術院計量研究所(現産業技術総合研究所)入所。振動計測、光波干渉計などの研究に従事。関心は力学量の動的計測。ドイツ物理工学研究所(PTB)招聘研究員(1998年)、フランス国立科学研究センター(CNRS)招聘研究員(2000年)、国際度量衡局(BIPM)招聘研究員(2010年)。振動加速度の国家標準開発に対して第43回市村学術賞貢献賞受賞(2010年)。2012年より国際度量衡委員。博士(工学)(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)