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新聞の運命 事実と実情の記事

出版社名 さくら舎
出版年月 2019年5月
ISBNコード 978-4-86581-198-8
4-86581-198-2
税込価格 1,760円
頁数・縦 246P 19cm

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要旨

衰退するメディアの代表格のように言われる「新聞」。日本新聞協会によると、2018年の日本の新聞発行部数は前年から222万部減、1997年のピーク時から4分の3になっている。実はこの状況を予見するかのように、約40年前に日本の新聞の問題点を指摘する人物がいた。山本七平である。本書は、評論家・山本七平(1921-1991)による、1970年代後半に「文藝春秋」誌で連載していた「最近新聞紙学」「新聞の研究」を中心とする新聞に関する論考を集め、初めて単行本化したもの。「日本的発想」が現れているがために、とくに国際情勢における事実を把握しづらくなっている日本の新聞報道の問題点、テレビの普及による新聞の編集への影響など、日本の新聞を批判的に捉えながら、その生き残り策を提言。インターネットが登場する以前に書かれたメディア論ではあるが、超情報社会となった現代の、報道や情報提供のあり方にも大いに示唆を与えてくれる論集となっている。著者の山本七平は、『日本人とユダヤ人』(イザヤ・ベンダサン名義)、『「空気」の研究』などの名著で「日本人論」の大家として知られ、その日本文化と社会を分析する独自の論考は「山本学」と称される。
※要旨の情報〔社会情勢、著者経歴など〕は、作成日当時のものです。
以降内容が変わっている場合があります。[要旨作成日:2019年6月26日]

商品内容

要旨

超情報社会にあって、新聞は「情報」たり得るか!?生き残れるか!?「なぜ社説を読むのが苦痛なのか」「新聞は角栄的体質をもっている」「『東京紙』の存在」などなど、不世出の教養人・山本七平が崖っぷちにある新聞の本質を論じる!

目次

序章 沈黙が許されない新聞
第1章 正義の体質
第2章 透けて見える問題な日本的発想
第3章 オモテとウラ
第4章 テレビ化の波
終章 活字文化の生き残り策

おすすめコメント

超情報化社会にあって、新聞は「情報」たり得るか? 日本社会に内在するさまざまな問題の鋭い御意見番・山本七平が繰り広げる「新聞紙学」(「文藝春秋」誌上に連載した原稿をもとに)。「新聞は沈黙を許されない気の毒な存在」「なぜ社説を読むのが苦痛なのか」「新聞は角栄的体質(無哲学・無思想・思索不能)をもっている」「三ズ主義的(八方美人的)報道」「東京紙が存在する?(全日本の東京化問題)」「言文一致から顔文一致へ」などなど、読者離れが著しい「新聞」というメディアにメスを入れる。 ロッキード事件や成田報道など実際の記事を例に、どこが問題なのか、何が欠落しているのかを具体的に示す。1980年代に書かれたものだが、タイムリーな内容になっている。初の単行本化!

著者紹介

山本 七平 (ヤマモト シチヘイ)  
1921年、東京都に生まれる。1942年、青山学院高等商業学部を卒業。野砲少尉としてマニラで戦い、捕虜となる。戦後、山本書店を創設し、聖書学関係の出版に携わる。1970年、イザヤ・ベンダサン名で出版した『日本人とユダヤ人』が三〇〇万部のベストセラーに。以後、「日本人論」で社会に大きな影響を与えてきた。その日本文化と社会を分析する独自の論考は「山本学」と称される。評論家。山本書店店主。1991年、逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)