ルポ人は科学が苦手 アメリカ「科学不信」の現場から
光文社新書 1003
出版社名 | 光文社 |
---|---|
出版年月 | 2019年5月 |
ISBNコード |
978-4-334-04410-7
(4-334-04410-7) |
税込価格 | 924円 |
頁数・縦 | 242P 18cm |
書籍ダイジェスト配信サービス SERENDIP 厳選書籍 要旨 2017年6月、米国のトランプ大統領は、地球温暖化対策のための国際枠組みであるパリ協定からの離脱を表明、世界に衝撃を与えた。かねてから同大統領は、二酸化炭素排出による地球温暖化を「でっちあげ」と言っていた。こうした、米国を中心に広がりつつある「科学不信」の原因は何だろうか。本書は、2015年から3年間、ワシントン特派員として米国の科学取材を続けた新聞記者が出会った「科学不信」の現場のリポート。科学者たちの間でほぼ合意されている地球温暖化のメカニズムを、規制を避けたがる政治的主張から否定したり、聖書の教えに反するとしてダーウィンの進化論を信じない、自分の直感と異なるがゆえに「地球は球体ではない」と主張する、といった人たちが米国には意外なほど多いのだという。著者は、取材や文献をもとに「人類はもともと科学的に物事を考えるのが得意ではないのではないか」と論じるとともに、科学を信じない人たちとのコミュニケーションのあり方を探っている。著者は読売新聞東京本社科学部記者。生命科学や環境問題、科学技術政策などの取材を担当してきた。 |
商品内容
要旨 |
子どものころから科学が好きだった著者は、新聞社の科学記者として科学を伝える仕事をしてきた。そして二〇一五年、科学の新たな地平を切り開いてきたアメリカで、特派員として心躍る科学取材を始めた。米航空宇宙局(NASA)の宇宙開発など、科学技術の最先端に触れることはできたものの、そこで実感したのは、意外なほどに広がる「科学への不信」だった。「人は科学的に考えることがもともと苦手なのではないか」―。全米各地に取材に出かけ、人々の声に耳を傾けていくと、地球温暖化への根強い疑問や信仰に基づく進化論への反発の声があちこちで聞かれた。その背景に何があるのか。先進各国に共通する「科学と社会を巡る不協和音」という課題を描く。 |
---|---|
目次 |
第1章 自分が思うほど理性的ではない私たち(人は学ぶほど愚かになる? |
おすすめコメント
子どもの頃から科学が好きだった著者。読売新聞の科学記者としてアメリカに赴任しNASAの宇宙開発など、最先端の科学技術に触れることはできたが、そこで見えてきたのは、意外にもアメリカで広がる「科学への不信」だった。地球温暖化を否定するトランプ政権の誕生、「進化論は科学者のでっち上げ」という言説が浸透するアメリカ社会。取材を通して気づいたのは、「人間は理性的な存在」ではなく、「科学的に考えることがもともと苦手なのではないか」ということだった。アメリカでの取材経験をもとに、先進各国に共通する「科学と社会を巡る不協和音」という課題を描く。