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天皇退位何が論じられたのか おことばから大嘗祭まで

中公選書 104

出版社名 中央公論新社
出版年月 2020年3月
ISBNコード 978-4-12-110104-4
4-12-110104-9
税込価格 2,200円
頁数・縦 406P 20cm

商品内容

要旨

二〇一六年七月のNHKのスクープと翌月の天皇ビデオメッセージから三年余。平成の天皇は退位し、上皇となった。この間に何が論じられ、その議論は深められたのか。皇位継承だけが問題なのではない。退位自体、憲法や皇室典範に定められていないものであった。そのほか、象徴とは何か、どこまでが公務かなど、「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」座長代理を務めた編者がその論点を整理し、積み残された課題を提示する。

目次

論点1 平成の天皇をどう位置づけるか―縦軸に見る、横軸に見る(これからの象徴天皇制を考える
昔から変わらない存在―古来、天皇は一貫して「象徴」であった ほか)
論点2 象徴天皇制とは何か―憲法第一条から考える(天皇と象徴を考える お気持ち表明を受けて
「日本国の象徴」とは何か ほか)
論点3 天皇と政治―憲法第四条から考える(「生前退位」―危機の二〇年 北田暁大が聞く
官邸、メディア、宮内庁 ほか)
論点4 皇室―天皇制の周縁(「生前退位」皇室のありかたを問い直す
上皇 ほか)
論点5 「令和」以後(『ザ・議論!』第1部「天皇制」(抜粋)
事実性 ほか)

おすすめコメント

2016年7月のNHK「天皇退位スクープ」、翌月の「天皇ビデオメッセージ」から3年余。本書は、この3年間に、誰が、どんなことを言ってきたのか、その論点を整理し、積み残した課題を提示するものである。今回の有識者会議(天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議)の座長代理を務めた編者が、3年分の雑誌論文、インタビュー、新聞記事などから、自身の主張とは相容れないものも含めて、意味があると認め、選んだものを論点ごとにまとめて掲載し、それぞれについてコメントを付す。イデオロギーなき時代の混沌とした思想状況も浮かび上がる。

著者紹介

御厨 貴 (ミクリヤ タカシ)  
1951年東京都生まれ。東京大学法学部卒業。ハーバード大学客員研究員、東京都立大学教授、政策研究大学院大学教授、東京大学教授、放送大学教授、青山学院大学特任教授などを歴任。「東日本大震災復興構想会議」議長代理、「天皇の公務の負担軽減等に関する有識者会議」座長代理などを務める。現在、東京大学先端科学技術研究センター客員教授、サントリーホールディングス(株)取締役などを務める。著書に『政策の総合と権力』(サントリー学芸賞)など多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)