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ことばの危機 大学入試改革・教育政策を問う

集英社新書 1024

出版社名 集英社
出版年月 2020年6月
ISBNコード 978-4-08-721124-5
4-08-721124-X
税込価格 924円
頁数・縦 238P 18cm

商品内容

要旨

大学入試改革や新学習指導要領の公示により、「国語」をめぐる様々な変更点が注目を集めている。「論理国語」「文学国語」といった区分が新たに誕生し、新・大学入試共通テストでは実用的な文章の読解が増加する見込みだ。また、それに連動して、高等学校の「国語」からは文学の比重が減ることが予想されている。このように「実用性」を強調し、文学を特殊な領域に囲い込もうとする大学入試改革・教育政策はいかなる点で問題なのか。この変化の背景にある、日本社会全体に蔓延した「ことば」に対する偏った見方とは何か。そして、なぜ今の時代にこそ文学的知性と想像力が重要なのか。東京大学文学部の五名の教授陣が、各専門の立場から問題意識を熱く語った、必読の講演録!

目次

第1章 「読解力」とは何か―「読めていない」の真相をさぐる(「読解力がない!」とはどういうことか
「読解力がない!」は読み手だけの問題なのか ほか)
第2章 言葉の豊かさと複雑さに向き合う―奇跡と不可能性の間で(簡単な表現でも「正しく」翻訳できるとは限らない
文学的教養の大事さ ほか)
第3章 ことばのあり方―哲学からの考察(哲学から考える問題の本質
ことばをツールとする態度 ほか)
第4章 古代の言葉に向き合うこと―プレテストの漢文を題材に(古代の言葉を読み解くこと
ポライトネスと「忖度」―漢文の表現から ほか)
第5章 全体討議

おすすめコメント

一連の「国語」改革は何が問題なのか?東大文学部の有名教授陣による、緊急講演録!大学入試改革や新学習指導要領の公示により、「国語」をめぐる様々な変更点が注目を集めている。「論理国語」「文学国語」といった区分が新たに誕生し、新・大学入試共通テストでは実用的な文章の読解が増加する見込みである。また、それに連動する形で、高等学校の「国語」からは文学の比重が減ることが予想されている。このように「実用性」を強調し、「文学」を特殊な領域に囲い込もうとする大学入試改革・教育政策はいかなる点で問題なのか。その変化の背景にある、日本社会全体に蔓延した「ことば」に対する偏った見方とは何か。そして、なぜ今の時代にこそ文学的知性と想像力が重要なのか。東京大学文学部の5名の有名教授陣が、各専門の立場から問題意識を熱く語った、必読の講演録!【本書の構成】はじめに (安藤宏/国文学研究室)第一章 「読解力」とは何か――「読めていない」の真相をさぐる(阿部公彦/英語英米文学研究室)第二章 言葉の豊かさと複雑さに向き合う――奇跡と不可能性の間で(沼野充義/現代文芸論研究室・スラヴ語スラヴ文学研究室)第三章 ことばのあり方――哲学からの考察(納富信留/哲学研究室) 第四章 古代の言葉に向き合うこと――プレテストの漢文を題材に(大西克也/中国語文化研究室・文化資源学研究室)第五章 全体討議おわりに (安藤宏)資料

著者紹介

阿部 公彦 (アベ マサヒコ)  
1966年生まれ。東京大学教授
沼野 充義 (ヌマノ ミツヨシ)  
1954年生まれ。東京大学教授を経て、2020年4月より名古屋外国語大学副学長
納富 信留 (ノウトミ ノブル)  
1965年生まれ。東京大学教授
大西 克也 (オオニシ カツヤ)  
1962年生まれ。東京大学教授。人文社会系研究科長・文学部長
安藤 宏 (アンドウ ヒロシ)  
1958年生まれ。東京大学教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)