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大義の末

新装版

角川文庫 し4−12

出版社名 KADOKAWA
出版年月 2020年7月
ISBNコード 978-4-04-109591-1
4-04-109591-3
税込価格 704円
頁数・縦 280P 15cm
シリーズ名 大義の末

商品内容

要旨

思想書『大義』に影響され、予科練に志願した軍国少年・柿見は、理想とかけ離れた戦争の現実に深く絶望する。軍国主義を否定しておきながら、天皇の権威を再び政治に利用しようとする戦後社会で、人々と国家の変節に怒る柿見。なかったことにされた『大義』へ捧げた青春とそれを信じて死んだ友への想いから、破滅的な衝動に支配されていく。実体験に基づき、激動の時代を描いた、城山文学の原点というべき表題作ほか1篇。

おすすめコメント

大義の末は、衝動的な抜けがらだ――かつての軍国少年の青春と葛藤。太平洋戦争末期、理想に燃える軍国少年・柿見。激動の時代に翻弄される少年の行く末は……。社会の価値観・思想が目まぐるしく変化する中で生きた少年の青春と葛藤を描く、城山三郎の最重要作品。

著者紹介

城山 三郎 (シロヤマ サブロウ)  
昭和2(1927)年、名古屋市生まれ。海軍特別幹部練習生として終戦を迎える。一橋大学卒。昭和32(1957)年、「輸出」で文學界新人賞を受賞後、本格的な文筆生活に入る。昭和34(1959)年、『総会屋錦城』で直木賞受賞。組織とそこに生きる人間の問題を深く追究した話題作を次々と発表。自らの体験を反映した戦争文学、伝記文学、歴史小説と幅広い分野の作品を手がけ、特に経済小説の分野では日本の先駆者といわれる。長年の多大な功績により、平成8(1996)年に菊池寛賞を受賞。代表作に『落日燃ゆ』(吉川英治文学賞、毎日出版文化賞受賞)他多数。平成19(2007)年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)