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ヒトラーの脱走兵 裏切りか抵抗か、ドイツ最後のタブー

中公新書 2610

出版社名 中央公論新社
出版年月 2020年9月
ISBNコード 978-4-12-102610-1
4-12-102610-1
税込価格 968円
頁数・縦 278P 18cm

商品内容

要旨

ナチス・ドイツ国防軍の脱走兵は、捕らえられて死刑判決を受けた者だけでも3万人以上と、英米に比べて際だって多い。その多くは戦闘中の逃亡ではない。民族殲滅に加担したくないという、生命をかけた抵抗であった。戦後、生き延びた脱走兵たちは久しく卑怯者と罵られ、存在までも否定されつづけるが、ついに軍法会議の不当な実態を暴き、名誉回復をなし遂げる。最後の脱走兵の生涯を通じて、人間の勇気と尊厳を見つめる。

目次

1 軍法会議と庶民兵士の反逆(ヒトラーの国防軍
苛酷な軍法
生きのびた脱走兵ルートヴィヒ・バウマン)
2 引き継がれるナチスの判決と罵倒される脱走兵(アデナウアーの内政と居座るナチス軍司法官
引き継がれるナチスの判決
脱走兵ルートヴィヒ・バウマンの苦悩と絶望)
3 「我々は裏切り者ではない」―歴史家たちの支援と世論の変化(立ち直ったバウマンと脱走兵復権の動向
脱走兵追悼の動き
ナチス軍司法への批判―シュヴィンゲ対メッサーシュミット/ヴュルナー
「ナチス軍法犠牲者全国協会」の設立
司法の転換と世論の支持)
4 復権する脱走兵(政治課題となった脱走兵の復権
院外活動と連邦議会の変化
脱走兵の復権なる―「改正ナチス不当判決破棄法」
バウマン最後の闘い―調査研究所『最後のタブー』)

出版社・メーカーコメント

第二次世界大戦におけるドイツ国防軍の脱走兵は、捕まって死刑判決を受けた者だけでも3万人以上と、他国に比べて際だって多い。その多くは戦闘中の逃亡ではなく、民族殲滅などを目にした、命懸けの抵抗としての脱走であった。戦後になっても、彼らを断罪したナチスの司法官たちが続々と復権する一方で、彼ら脱走兵は長い間、名誉回復されないままだった。ある脱走兵の生涯から人間の尊厳を見つめる。

著者紹介

對馬 達雄 (ツシマ タツオ)  
1945年青森県生まれ。東北大学大学院教育学研究科博士課程中途退学。教育学博士(東北大学、1984年)。秋田大学教育文化学部長、副学長等を歴任。秋田大学名誉教授。専攻・ドイツ近現代教育史、ドイツ現代史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)