ナチス機関誌「女性展望」を読む 女性表象、日常生活、戦時動員
出版社名 | 青弓社 |
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出版年月 | 2020年9月 |
ISBNコード |
978-4-7872-2090-5
(4-7872-2090-X) |
税込価格 | 5,280円 |
頁数・縦 | 428P 21cm |
商品内容
文学賞情報 |
2021年
第36回
女性史青山なを賞受賞 |
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要旨 |
「女性展望」は、社会的・文化的領域で「理想的な」女性像を伝達する有力なプロパガンダメディアだった。戦後ドイツの記憶から消し去られたナチス機関誌を掘り起こし、ナチス政権下に生きた女性たちの実像に迫る。 |
目次 |
第1部 「女性展望」が描く女性像と日常生活(表紙から明らかになるジェンダーとその揺らぎ |
出版社・メーカーコメント
1932年から敗戦直前まで発行されたナチスの機関誌「女性展望」は合計282号を数え、最盛期には140万部を記録した。それは、ナチ女性団が編集・発行した女性向けプロパガンダ雑誌として、社会的・文化的領域で「理想的な」女性像を伝達する有力メディアのひとつだった。誌面では、ヒトラーの指導者像を形作り、敵と味方のイメージを色濃く描き分け、女性を戦時奉仕活動へと動員するための表象を次々に打ち出していった。一方では、性別役割分業と良妻賢母思想を宣伝し、戦時下の窮乏生活を乗り切るための調理方法や物資の倹約法、娯楽を提供する連載小説などを掲載した。さらに、ナチ女性団と、権力掌握後にナチ化を受け入れたドイツ女性事業団の活動記事からは、彼女たちが母性主義を逆手に取って、家庭に収まることなく女性の社会的地位向上を目指して大規模な社会活動を展開したことを明らかにして、これまでのナチ女性のイメージを覆す。本書は、官製女性雑誌のために戦後ドイツの記憶から消し去られた「女性展望」を掘り起こし、ナチス支配下に生きた女性たちの全体像を解明する初の研究成果である。300点の貴重な図版を所収する。