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渋沢栄一『論語と算盤』を読む

出版社名 幻冬舎
出版年月 2021年2月
ISBNコード 978-4-344-03749-6
4-344-03749-9
税込価格 1,650円
頁数・縦 263P 19cm

商品内容

要旨

本書では、渋沢の考え方のエッセンスである『論語と算盤』を、「ピンチをチャンスに変える」知恵に満ちた教訓に重点を置いて解説します。原著の一〇章構成をそのまま踏襲し、各項の見出しの表現も生かしながら、わかりやすい解説を試みました。渋沢の思想や生き方がどのようにして形作られたか、その生い立ちや青年時代の体験、実業界での足跡などを知りたい方は、巻末の「解説」をお読みください。渋沢の生きた幕末から明治・大正、そして昭和初期と我々の生きる現代では、時代背景がかなり違います。渋沢の卓見に敬意を払いながらも、それらをすべて鵜呑みにすることなく、場合によっては現代の歴史的観点からの批判的見直しをも試みています。

目次

第1章 論語と算盤「処世と信条」を読む
第2章 論語と算盤「立志と学問」を読む
第3章 論語と算盤「常識と習慣」を読む
第4章 論語と算盤「仁義と富貴」を読む
第5章 論語と算盤「理想と迷信」を読む
第6章 論語と算盤「人格と修養」を読む
第7章 論語と算盤「算盤と権利」を読む
第8章 論語と算盤「実業と士道」を読む
第9章 論語と算盤「教育と情誼」を読む
第10章 論語と算盤「成敗と運命」を読む

出版社・メーカーコメント

コロナの時代こそ渋沢の哲学に学べ全日本人必読! 難解な歴史的名著がこの一冊でわかる【2021年NHK大河ドラマ『青天を衝け』主人公】【もくじ】第1章 論語と算盤「処世と信条」を読む●争いの可否……争いを避け、優しいだけの上司は、ひ弱な部下しか育てられない●得意時代と失意時代……得意のときは大事を小事と見て転落しやすく、失意のときは小事を大事と見て立ち直りやすい ほか第2章 論語と算盤「立志と学問」を読む●現在に働け……物質的文明の発達は、人格を退歩させる恐れあり。つねに精神的向上を図り、現世で正しくあることが大事●秀吉の長所と短所……「機略」があっても天下を治めることはできない。家系を永続させるには長期的な展望「経略」が必要 ほか第3章 論語と算盤「常識と習慣」を読む●常識とは如何なるものか……常識とは「知識」より「智・情・意」が備わっていること ほか第4章 論語と算盤「仁義と富貴」を読む●真正の利殖法……事業は利欲だけでは成り立たず、仁義道徳だけでも成り立たない ほか第5章 論語と算盤「理想と迷信」を読む●この熟誠を要す……仕事を知ること・好むことより、楽しむことこそ仕事の成果につながる●かくのごとき矛盾を根絶すべし……文明が進むと、戦争は割に合わなくなる ほか第6章 論語と算盤「人格と修養」を読む●二宮尊徳と西郷隆盛……知らないことを知らないと言える人物は大物である●すべからくその原因を究むべし……どんな死に方をしたかということよりも、どんな生き方をしたかのほうが大事 ほか第7章 論語と算盤「算盤と権利」を読む●ただ王道あるのみ……資本家と労働者の双方に王道があれば、法律は無用の用になる ほか第8章 論語と算盤「実業と士道」を読む●果たして誰の責任ぞ……国による道徳観の違いを認め、その上で反省すべきは反省する●功利学の幣を芟除すべし……上の人間にのみ責任を求めず、下の人間にも自覚を促すほうがいい ほか第9章 論語と算盤「教育と情誼」を読む●孝は強うべきものにあらず……孝行は親がさせてくれるもの。子がするものではない●偉人とその母……女性教育を怠ると、国家の損失を招く ほか第10章 論語と算盤「成敗と運命」を読む●それただ忠恕のみ……自業自得の弱者であっても、人の歩むべき道として思いやる ほか

著者紹介

原口 泉 (ハラグチ イズミ)  
志學館大学人間関係学部・法学部教授、鹿児島大学名誉教授、鹿児島県立図書館館長。1947年、鹿児島県生まれ。東京大学文学部国史学科卒業、同大学院博士課程単位取得。専門は日本近世・近代史。NHK大河ドラマ『翔ぶが如く』(1990年)、『琉球の風』(1993年)、『篤姫』(2008年)、『西郷どん』(2018年)、NHK連続テレビ小説『あさが来た』(2015年)、映画『天外者』(2020年)の時代考証を担当。2019年、第70回NHK放送文化賞、第78回西日本文化賞受賞。著書多数(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)