• 本

米中分断の虚実 デカップリングとサプライチェーンの政治経済分析

出版社名 日経BP日本経済新聞出版本部
出版年月 2021年6月
ISBNコード 978-4-532-35892-1
4-532-35892-2
税込価格 3,080円
頁数・縦 309P 19cm

商品内容

要旨

安全保障とビジネスの間で揺れる日本のジレンマを多角的に解説。

目次

米中デカップリング論への視点―両国関係の複雑さと中国の可変性
米中技術覇権競争と日本の経済安全保障
米中ネットワーク競争と海底ケーブル
コロナ禍とグローバル保健ガバナンス―米中対立の影響をいかに緩和するか
米中気候協力の行方―バイデンは北京と協力できるのか
米国の中国脅威論と人的・文化的分断―「赤の恐怖」か「黄禍論」か
米中分断下での日本のバリューチェーン―「多様なつながり」へ3つの提言
サプライチェーンの見直しと中国の新構想―日本に必要な多面的努力
台湾にみる米中ハイテク分断の最前線
貿易摩擦下の米中金融交渉―開放と分断の狭間で
米中デカップリングとスタートアップ投資―コロナ禍で中国台頭、投資分断加速へ
日本に求められる重層的アプローチ―米中競争時代を勝ち抜く「開かれた」地経学

出版社・メーカーコメント

対立する米中。世界1位と2位の経済大国同士の分断が世界に及ぼす影響は大きい。日本を含め、世界のほとんどの国は米中双方と貿易や投資で深く結びついているためです。多くの企業にとって、米中の二者択一の踏み絵を踏まされるのは悪夢ですが、両国のデカップリングの度合いに応じてサプライチェーンの見直しなどを迫られています。技術やサプライチェーンの米中デカップリングは今後の展開次第で地球的な規模でモノ、カネ、ヒトの流通を妨げ、世界の貿易体制やイノベーションの行方を左右する可能性があります。 半面、米中のデカップリングは言葉が独り歩きしているところもあります。米ソの冷戦時代と違って、いまの米中は経済面で相互依存が進んでおり、切り離そうにも簡単に断ち切れない関係が二重、三重にできあがっているからです。新型コロナ禍で中国の「マスク外交」への批判が高まり、医療品や戦略物資の中国依存への警鐘が鳴らされた2020年ですら、中国の対米輸出は前年比7.9%の増加(中国側統計)となったのです。 本書は『技術覇権』(2020年刊)に続くタイムリーな米中関係分析です。米中のデカップリングの実像と背景、今後の展望に関する分析を行い、日本の対応を考えるうえでの材料を提供します。

著者紹介

宮本 雄二 (ミヤモト ユウジ)  
宮本アジア研究所代表、日本日中関係学会会長、日中友好会館会長代行、日本アジア共同体文化協力機構理事長。1946年生まれ。京都大学法学部卒業。69年外務省入省。87年外務大臣秘書官、90年中国課長、94年アトランタ総領事、2001年軍備管理・科学審議官、02年ミャンマー大使などを経て、06年より10年6月まで中国大使
伊集院 敦 (イジュウイン アツシ)  
日本経済研究センター首席研究員。1985年早稲田大学卒業、日本経済新聞社入社。ソウル支局長、政治部次長、中国総局長、編集委員などを経て現職。ジョージ・ワシントン大学客員研究員などを歴任(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)