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東シナ海 漁民たちの国境紛争

角川新書 K−377

出版社名 KADOKAWA
出版年月 2021年12月
ISBNコード 978-4-04-082373-7
4-04-082373-7
税込価格 990円
頁数・縦 250P 18cm

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要旨

日本、韓国、中国、台湾に囲まれた東シナ海は、海洋資源に恵まれ、日中台が領有を主張する尖閣諸島があるなど、東アジアの地政学上、きわめて重要な海域といえる。その東シナ海、特に尖閣諸島周辺で近年、中国籍の船舶が日本の漁船の操業を脅かす事態がひんぱんに起きている。どう対処すればいいのだろうか。本書では、東シナ海をめぐる地政学上の問題を、その歴史的経緯と現状を描きながら「漁業」の視点で読み解く。日本、中国、台湾による水産資源の権益争いや、尖閣諸島をめぐる国境紛争の最前線にいるのは、日中台の漁船、漁業者である。絶大な国力をもって武力行使もいとわない姿勢を見せる中国に対峙するには、衰退産業にも位置付けられる現状の日本漁業では心許ない。それゆえ著者は、日本漁業の国有化までも提言している。著者は、北海道大学大学院水産科学研究院准教授を務める漁業経済学者。農林水産省水産政策審議会委員。専門は漁業経済学・職業教育学・産業社会学。著書に『近代日本の水産教育──「国境」に立つ漁業者の養成』(北海道大学出版会)、『漁業と国境』(共著、みすず書房)などがある。
※要旨の情報〔社会情勢、著者経歴など〕は、作成日当時のものです。
以降内容が変わっている場合があります。[要旨作成日:2022年1月25日]

商品内容

要旨

漁業は「第三の海軍」である。尖閣諸島での“唯一の経済活動”、それが漁業だ。漁業活動は食料安全保障に直結しているばかりか国土維持活動ともなっている。東シナ海の操業は中国、台湾に席巻されてままならず、インドネシア人に日本の漁業界は既に人材も依存してしまっている。なぜそうなったのか?漁業から見える日中台の国境紛争の歴史と現実を、現地調査を続ける漁業経済学者が赤裸々に報告!

目次

序章 日本の生命線
第1章 追いつめられる東シナ海漁業
第2章 東シナ海で増す中国・台湾の存在感
第3章 東シナ海に埋め込まれた時限爆弾
第4章 日本人が消える海
第5章 軍事化する海での漁業
終章 日本漁業国有化論

出版社・メーカーコメント

尖閣から日本漁船が消える日。最前線では毎日なにが起きているのか?尖閣諸島水域では毎日なにが起きているのか?領海での「唯一の経済活動」、それが漁業だ。海の上に線は引けない。漁業から日中台の国境紛争の現実が見える。 現地調査を続ける漁業経済学者による、渾身の論考!

著者紹介

佐々木 貴文 (ササキ タカフミ)  
1979年三重県津市生まれ。漁業経済学者。2006年北海道大学大学院教育学研究科博士後期課程修了。鹿児島大学大学院水産学研究科准教授を経て、北海道大学大学院水産科学研究院准教授。農林水産省水産政策審議会委員。専門は漁業経済学・職業教育学・産業社会学。著作に『近代日本の水産教育―「国境」に立つ漁業者の養成』(北海道大学出版会、2018年、漁業経済学会学会賞・日本職業教育学会学会賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)