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アダム・スミス共感の経済学

出版社名 早川書房
出版年月 2022年2月
ISBNコード 978-4-15-210085-6
4-15-210085-0
税込価格 3,960円
頁数・縦 458P 20cm

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要旨

18世紀英国で活躍し「経済学の父」とも称される思想家、アダム・スミス(1723-1790)。近代経済学の礎を築き、『道徳感情論』『国富論』という2冊の大著で知られる。「見えざる手」を提唱し、国家の介入を排除した自己利益の追求が富を生むといった冷徹な市場原理主義の擁護者ともみられているが、その実像は異なるようだ。原書が「フィナンシャル・タイムズ」2018年ベスト・ブックにも選ばれた本書は、英国保守党国会議員の手によるアダム・スミスの本格的評伝。歴史上もっとも影響力のある経済学者ともされるアダム・スミスの生涯を辿りつつ、現代の課題解決にもつながるであろう、その思想体系を明らかにしている。スミスの2大著作『道徳感情論』(1759年)と『国富論』(1776年)は、前者が利他主義と善を、後者が利己主義と強欲を論じているとして矛盾を指摘する声も小さくないが、著者は、その他の著作や論文も含め、スミスの思想は、経済学にとどまらない、「共感」という概念を軸の一つとした「人間の科学」であると説いている。著者は英国の国会議員として、2019年には財務担当補佐官を務める。政界に入る前は、共産主義の東欧で教育プロジェクトを運営し、バークレイズ銀行で管理職に就いていた。
※要旨の情報〔社会情勢、著者経歴など〕は、作成日当時のものです。
以降内容が変わっている場合があります。[要旨作成日:2022年5月13日]

商品内容

要旨

本書は、イギリスの現役国会議員であり財務担当補佐官を務めた経歴を持つジェシー・ノーマンによる、アダム・スミスの本格的評伝であり思想解説書である。スミスの思想の成り立ちをその生涯から解き明かすとともに、「市場原理主義者」「不平等と利己主義の擁護者」といった“神話”をそぎ落とし、経済学はもちろん政治学、倫理学、社会学、心理学にまで広がる思想的影響を俯瞰。スミスを理解するキーワードの一つである「共感」に代表される、その「人間の科学」への洞察を足がかりに、格差拡大やグローバル化など様々な課題に直面する現代へのヒントを提示する。

目次

第1部 生涯(カーコーディの少年 一七二三〜一七四六年
人生で最も有益で幸福で誇らしい時期 一七四六〜一七五九年
実り多き幕間 一七六〇〜一七七三年
あなたはただ一人でこの分野に君臨することになるでしょう 一七七三〜一七七六年
最後まで働き続けて 一七七六〜一七九〇年)
第2部 思想(評判、事実、神話
アダム・スミスの経済学
アダム・スミスと市場)
第3部 影響(資本主義に対する不満
商業社会の道徳のあり方
スミスの今日的意義)

出版社・メーカーコメント

「世界で最も偉大で、最も理解されていない思想家」、アダム・スミス。市場原理主義者、利己主義の肯定者といった「神話」をそぎ落とし、倫理学や行動科学にまで広がる思想的影響を俯瞰。格差やグローバル化などの課題に直面する現代へのヒントを提示する。

著者紹介

ノーマン,ジェシー (ノーマン,ジェシー)   Norman,Jesse
1962年生まれ。イギリス保守党の国会議員で、2019年に財務担当補佐官を務める。オックスフォード大学で古典を学び、ユニヴァーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)で哲学の修士号と博士号を取得。政界に入る前は、共産主義の東欧で教育プロジェクトを運営し、バークレイズ銀行で管理職を務めた。UCL名誉研究員、国立経済社会研究所理事などを歴任
村井 章子 (ムライ アキコ)  
翻訳者。上智大学文学部卒業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)