空をゆく巨人
集英社文庫 か78−1
出版社名 | 集英社 |
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出版年月 | 2022年5月 |
ISBNコード |
978-4-08-744387-5
(4-08-744387-6) |
税込価格 | 1,155円 |
頁数・縦 | 432P 16cm |
商品内容
要旨 |
福島県いわき市には、完成しない美術館がある―著者がそこで出会ったのは“すごいおっちゃん”こと実業家の志賀忠重と、現代アート界の巨星・蔡國強。志賀は美術館の周囲の山に99,000本の桜を植えていると言う。一体なぜそんなことを?始まりはふたりの友情。そして東日本大震災への怒りを鎮めるためだった―。型破りな男たちの奇跡の実話!第16回開高健ノンフィクション賞受賞作。 |
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目次 |
生まれながらの商売人 いわき・一九五〇年 |
出版社・メーカーコメント
現代美術の世界的スーパースター蔡國強と、世界最大99000本の桜を植える福島の男。夢に挑み続けるふたりの“巨人”の奇跡の実話。福島県いわき市の実業家・志賀忠重と、中国福建省出身の世界的現代美術家、蔡國強。二人は、1980年代にいわきで出会い、数々の驚くべき「作品」を生み出してきた。砂浜に埋もれた木造船を掘り出した作品、海に導火線を置いて走らせた炎……蔡が描いたスケッチを、日頃アートに縁のない志賀らが頭と体を使って形にしていく――いわきは蔡が世界に羽ばたくきっかけとなった。そんな二人の最大の作品が、東日本大震災後に制作した「いわき回廊美術館」だ。美術館周辺の山々では、志賀が、99,000本の桜を250年かけて植樹する「いわき万本桜プロジェクト」を進めている。原発という「負の遺産」を残したことを激しく悔いて、未来のいわきを世界に誇れる場所にするために。二人の「巨人」の足跡を辿りながら、美術、ひいては「文化」というものの底力を問う。こんな時代だからこそ伝えたい、アートと人間の物語。読み終えたあと、一歩を踏み出す勇気が湧いてくる!第16回開高健ノンフィクション賞受賞作!【スタジオジブリ 鈴木敏夫氏 絶賛!】ひとりの人間が出来ることなど、たかだか知れている。しかし、ふたりになると奇跡が起こる。中国福建省出身の蔡國強と福島県いわきの会社経営者志賀忠重。ふたりは、80年代末にいわきで出会い、数々の作品を生み出して来た。そして、蔡國強は、現代美術の世界的なスーパースターになった。ぼくは、この話を他人事として読むことは出来なかった。蔡國強と宮崎駿が折り重なった。ぼくは、この長い物語をたった2日間で一気に読んでしまった。ちなみにぼくは、川内有〓さんの事を子供のころから知っている。恵比寿にある小さなマンションの8階にぼくの一家が、9階に彼女の一家が暮らしていた。ぼくはいまでも彼女のことをこう呼ぶ――あっちゃん、やったね! 開高健賞、おめでとう!