とんこつQ&A
出版社名 | 講談社 |
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出版年月 | 2022年7月 |
ISBNコード |
978-4-06-528396-7
(4-06-528396-5) |
税込価格 | 1,650円 |
頁数・縦 | 220P 20cm |
NetGalley 会員レビュー
おすすめ度 優しい語り口調で紡がれているのに何処かオドロオドロしく何処かにしっかりと掴まっていないと覗いている底なしの井戸にヌルっと落ちてしまいそうな恐怖。誰もが持っている僅かな心の闇の部分と絶妙に繋がっており、偽善ともまた紙一重であるところが分かるだけに怖い。あぁこわい。でもそれが癖になるのが今村ワールド。
おすすめ度 一筋縄ではいかない今村夏子!ちょっとズレた感覚の人々がなんとも言えない世界を描き出してる。ズレてるといっても存在しないのではない。誰しも心の中に存在してそうな人々。親近感というか、そうなりたくないというか、なんとも言えない。それもこれも夏子ワールドに引き込まれるからだと思う。この引き込まれ方は本当にすごい。クセになる。『嘘の道』『良夫婦』が特に引きずり込まれて、気持ちがどん底になって浮上するのに時間がかかった。これもまたクセになる。この面白さは読んで体験してほしい!
おすすめ度 まずは本のタイトルにもなっている「とんこつQ&A」。何だろう、面白いタイトルだなと思って読んでいたら、途中で「ああ、なるほど、そういうことか。」と合点がいく。いつも思うけれど、今村さんの作品に登場する人たちはとても一途だ。でも、純粋で真っ直ぐで一途な情熱というのは、度を過ぎ、常識からズレでしまうと途端に空恐ろしさを感じさせる。「あれ?何だかそれおかしくない?」「いやいや、それおかしいって。」読みながらついついそう突っ込んでしまうけれど、最後には「まあ本人達が幸せならそれでいいのか。」と納得してしまうのだから不思議。そんな今村ワールドが十分に味わえた4編でありました。 上記レビューの提供元:NetGalley(株式会社メディアドゥ) NetGalleyとは、本を応援するWEBサイトです。 |
商品内容
要旨 |
大将とぼっちゃんが切り盛りする中華料理店とんこつで働き始めた「わたし」。「いらっしゃいませ」を言えるようになり、居場所を見つけたはずだった。あの女が新たに雇われるまでは―(「とんこつQ&A」)。姉の同級生には、とんでもない嘘つき少年がいた。父いわく、そういう奴はそのうち消えていなくなってしまうらしいが…(「嘘の道」)。人間の取り返しのつかない刹那を描いた4篇を収録。待望の最新作品集! |
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出版社・メーカーコメント
真っ直ぐだから怖い、純粋だから切ない。あの人のこと、笑えますか。“普通”の可笑しみから、私たちの真の姿と世界の深淵が顔を出す。大将とぼっちゃんが切り盛りする中華料理店とんこつで働き始めた「わたし」。「いらっしゃいませ」を言えるようになり、居場所を見つけたはずだった。あの女が新たに雇われるまでは――(「とんこつQ&A」)姉の同級生には、とんでもない嘘つき少年がいた。父いわく、そういう奴はそのうち消えていなくなってしまうらしいが……(「嘘の道」)人間の取り返しのつかない刹那を描いた4篇を収録、待望の最新作品集!