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文化遺産と防災のレッスン レジリエントな観光のために

出版社名 新曜社
出版年月 2022年9月
ISBNコード 978-4-7885-1780-6
4-7885-1780-9
税込価格 2,750円
頁数・縦 212P 21cm

商品内容

要旨

今日、地球規模で災害が頻発し、文化遺産も被災の危機にさらされている。本書は「レジリエンス」(回復力)という概念に注目しながら、文化遺産、観光、防災の絡み合いをさぐり、「災害の時代」に文化遺産とともに生きることの意味を考える。それは「文化遺産をいかに守るか」ではなく、「文化遺産でいかに地域を守るか」を考えることである。

目次

第1部 文化遺産と防災のレッスン(文化遺産と防災―レジリエントな観光のために
文化遺産と近代
文化遺産は誰のものか―文化遺産の所有主体と防災
日本の文化遺産の保護と防災―その歴史を知ろう)
第2部 文化遺産の被災と再建(中国・麗江古城の被災と再建―空間解析的アプローチ
国家のレジリエンス、地域社会のレジリエンス―中国・四川大地震後の復興とディザスター・ツーリズム
無形文化遺産と防災―東日本大震災における被災と復興
被災した歴史的建造物の復旧―熊本地震のケースから
レジリエントな観光―インドネシア・バリの世界遺産とコミュニティ・ベースト・・ツーリズム)
第3部 文化遺産の防災・減災(ネパール・パタンの歴史地区―震災後の住民へのヒアリング調査から
トルコ・ベルガマの伝統的住居群―防災計画の策定
インドネシア・トラジャの慣習家屋―「伝統」と「現在」のはざま
中国・客家の伝統集合住宅―防災景観とそのレジリエンス
日本・富士山の保全と活用―三保松原を例として
まとめと展望)

著者紹介

山下 晋司 (ヤマシタ シンジ)  
東京大学名誉教授。専門:文化人類学。インドネシアを中心にフィールドワークを行ない、人の移動という切り口から新しい社会の展開や文化の生成について研究している。最近では人類学の立場から社会貢献をめざす公共人類学やコロナ後の観光のあり方に関心を持っている
狩野 朋子 (カノウ トモコ)  
帝京平成大学人文社会学部観光経営学科准教授。専門:建築・都市計画、地域・観光まちづくり。世界遺産と防災をテーマとして、空間研究と提案を行なっている。人々のよりどころとして地域社会を支えてきた空間を、次の世代につなげていきたい(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)