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キリシタン時代の良心問題 インド・日本・中国の「倫理」の足跡

出版社名 慶應義塾大学出版会
出版年月 2022年11月
ISBNコード 978-4-7664-2852-0
4-7664-2852-8
税込価格 5,500円
頁数・縦 311,5P 22cm

商品内容

要旨

断絶と連続のアジア布教史。16世紀以降、イエズス会のアジアにおける布教事業は、インドから日本へ、日本から中国へと進められた。宣教師たちはそれぞれの文化に適応しつつ、新たな信者たちの「倫理」や「戒律」の基準をどのように修正していったのか―。司祭の手引書から書翰集、聖人伝まで、膨大な史料を渉猟し、連続性と断絶を明らかにする。

目次

序説 良心問題とは何か
第1章 発見地の領有と異教徒の権利―ビトリア、グロティウス、フレイタスの議論
第2章 キリシタン時代の神学と良心問題
第3章 信仰と奴隷制―インドにおける奴隷に対する授洗論
第4章 フランシスコ・ロドリゲスの日本の婚姻問題決疑論
第5章 キリシタン大名大友宗麟をめぐる良心問題
第6章 イエズス会のインド史研究と日本書翰集の編纂―布教情報の伝達と整理を中心として
第7章 「神学」に加えられた日本人の祖先崇拝―ペドロ・ゴメス「講義要綱」からの考察
第8章 キリシタン時代の良心問題に関する手引書について―マルティン・デ・アスピルクエタとその周辺
第9章 殉教の論理と潜伏の論理
第10章 キリシタン教会の殉教録と聖人伝―ヨーロッパから日本・中国へ
第11章 艾儒略『滌罪正規』解題
結論

出版社・メーカーコメント

▼イエズス会宣教師は異教の地で何をみたか。▼インド・日本・中国の史料を比較考量し、アジア布教史の実態に迫る。大航海時代、イエズス会の布教事業は、インド・日本・中国へと進んでいった。その中で、インドの布教における基準が修正されながら日本に持ち込まれ、日本の基準が同様に修正されながら中国に持ち込まれることになった。本書は、ヨーロッパと日本の公刊・未刊のキリシタン史料を渉猟し、「良心conscientia」の問題を基軸としながら、その変化を解明していく。先行研究においてインドと日本の布教が比較されることはあったが、インド・日本・中国の三地域の布教を比較検討するのは、層の厚いキリシタン研究史で初の試みとなる。

著者紹介

浅見 雅一 (アサミ マサカズ)  
慶應義塾大学文学部教授。1962年生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科修士課程修了。東京大学史料編纂所助手、同助教授、ハーバード大学客員研究員などを経て現職。博士(文学)。専門はキリシタン史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)