• 本

百人一首百人の物語

出版社名 水曜社
出版年月 2022年12月
ISBNコード 978-4-88065-537-6
4-88065-537-6
税込価格 1,870円
頁数・縦 219P 21cm

商品内容

要旨

百人には百のドラマがあった!藤原定家からおよそ8世紀。“歌がるた”の世界には顕れない人間模様を、味読愛翫しつつ綴る新・注釈。

目次

天智天皇―秋の田のかりほの庵の苫をあらみわが衣手は露にぬれつつ
持統天皇―春すぎて夏きにけらし白妙の衣ほすてふあまのかぐ山
柿本人麿―あしびきの山鳥の尾のしだり尾のながながし夜をひとりかも寝む
山部赤人―田子の浦にうち出でて見れば白妙の富士の高嶺に雪は降りつつ
猿丸大夫―奥山に紅葉ふみわけ鳴く鹿の声聞くときぞ秋はかなしき
中納言家持―かささぎの渡せる橋におく霜の白きを見れば夜ぞふけにける
安倍仲麿―天の原ふりさけ見れば春日なる三笠の山に出でし月かも
喜撰法師―わが庵は都のたつみしかぞ住む世をうぢ山と人はいふなり
小野小町―花の色はうつりにけりないたづらにわが身世にふるながめせしまに〔ほか〕

出版社・メーカーコメント

一人に一首、百の歌。百の歌に百人のドラマ!古くて新しい物語が、またひとつ誕生した!藤原定家からおよそ8世紀。“歌がるた”には顕れない、人間模様と人生の哀歓を、味読、愛翫ししつつ綴る新・注釈。13世紀前半、藤原定家が京都小倉山の山荘で『百人一首』を選んで、およそ8世紀。小倉百人一首は「歌がるた」としても愛好され定着した。この間無数の注釈本が書かれ、現代でも研究書が引きも切らない。最初は絶対的だった作者の意図は考慮されなくなり、異説が出て校訂されれば定説となった。こうして累積した先人たちの解釈に一石を投じるのが本書である。百人一首の世界に魅せられた著者は、読み、味わい、そして読むことを繰り返した。そして「私はこれに賛成」と言いたくなる説が見つかる、そうすると人に知らせたくなる。どれも納得できずに、替わりに自説が出来上がることもある。その時も人に知ってもらいたいと思う……素朴な熱情とも言える著者の発想は、これまで採られなかった行間に込められた詠み人の哀歓、かれらを翻弄した人間模様を現代に浮き上がらせる。

著者紹介

辻井 咲子 (ツジイ サキコ)  
愛知県立刈谷高等学校・東京教育大学(現筑波大学)芸術学科卒業。埼玉県産業技術総合センター入職後、県内中小企業の新製品開発・デザイン・企業内デザイナー育成事業に携わる。丸谷才一の『後鳥羽院第二版』に感銘を受け「百人一首」の注釈書を読み始める。2006年退職後、季刊同人誌「磊」に参加(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)