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教育大国シンガポール 日本は何を学べるか

光文社新書 1238

出版社名 光文社
出版年月 2023年1月
ISBNコード 978-4-334-04645-3
4-334-04645-2
税込価格 924円
頁数・縦 232P 18cm

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要旨

大学評価機関クアクアレリ・シモンズ(QS)による「2022年世界大学ランキング」でシンガポールの「シンガポール国立大学」と「南洋理工大学」が世界11位と12位、アジア1位と2位にランクインした(東京大学は世界23位、アジア6位)。圧倒的な教育大国として知られる同国は、どんな課題を抱えているのか。本書では、5年間シンガポールで暮らした教育社会学者、ジャーナリストである著者が、取材やインタビュー調査などを通じて、シンガポールの教育システムの実態をリポートしている。シンガポールでは、小学校修了段階でPSLEという国家統一試験を受け、その結果によって卒業後の進路が決まる。そして、それを皮切りに、課程修了ごとに試験が繰り返され、そのすべての成績や学歴が、就職先や賃金に影響を及ぼす。それに応じて子どもがまだ小さいうちから親子で激しい競争環境に置かれることになり、ストレスや格差の問題を引き起こしているようだ。著者は、日本経済新聞社にて大企業の財務や経営、厚生労働政策などの取材を担当し、育休中に立命館大学大学院先端総合学術研究科に入学し、修士論文をもとに2014年『「育休世代」のジレンマ――女性活用はなぜ失敗するのか?』(光文社新書)を上梓する。2015年よりフリージャーナリスト、東京大学大学院教育学研究科博士課程に在籍している。2022年より東京大学男女共同参画室特任研究員。
※要旨の情報〔社会情勢、著者経歴など〕は、作成日当時のものです。
以降内容が変わっている場合があります。[要旨作成日:2023年3月14日]

商品内容

要旨

国を挙げて教育政策に力を注ぎ、国際学力テストではつねに上位にランクイン。諸外国からの教育移住の多い国としても知られるシンガポール。5世帯の1世帯が外国人の住み込みメイドを雇っており、共働きしやすい国というイメージもある。今や日本が見習う国のように見えるが、はたしてすべてがうまくいっているのか。夫の赴任に伴い、5年間を現地で暮らした教育社会学の研究者・ジャーナリストである著者が、取材やインタビュー調査などを通じて、シンガポールの教育システムの実態を報告。激しい教育競争、習い事競争、教育熱と、母親たちの葛藤・試行錯誤を追う。日本の近未来ともいえるシンガポールを通し、日本のミドルクラスの共働き家庭がぶつかるであろう課題や教育の今後を考える。

目次

第1章 教育優等生のシンガポール?(教育を止めないシンガポール
迅速なオンライン対応 ほか)
第2章 もう1つの教育競争―グレート化する習い事(教育に実用性を求めてきたシンガポール
学力以外をめぐる競争 ほか)
第3章 「教育役割」の罠(シンガポールの「ワーク・教育・バランス」は?
「家事外注大国」の両立問題 ほか)
第4章 「教育と仕事の両立」とジェンダー平等(家庭での役割と、経済のための女性活用による二重役割
女性のほうが家事をしている時間が長い ほか)

著者紹介

中野 円佳 (ナカノ マドカ)  
1984年東京都生まれ。東京大学教育学部を卒業後、日本経済新聞社に入社。大企業の財務や経営、厚生労働政策などを取材。育休中に立命館大学大学院先端総合学術研究科入学。同研究科に提出の修士論文を基に2014年『「育休世代」のジレンマ―女性活用はなぜ失敗するのか?』(光文社新書)を出版。’15年よりフリージャーナリスト、東京大学大学院教育学研究科博士課程在籍。’22年より東京大学男女共同参画室特任研究員。キッズライン報道でPEPジャーナリズム大賞2021特別賞、第2回調査報道大賞デジタル部門優秀賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)