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田中敦子と具体美術協会 金山明および吉原治良との関係から読み解く

出版社名 大阪大学出版会
出版年月 2023年1月
ISBNコード 978-4-87259-770-7
4-87259-770-2
税込価格 7,920円
頁数・縦 398P 22cm

商品内容

要旨

電気服はいかにして平面になったのか。具体美術協会再考のための初めてのモノグラフ。具体美術協会(具体)の主要メンバーの一人であった田中敦子による作品の独創性を考察するとともに、メンバー間の作品制作における関わりにも着目して論じた画期的研究。これまで十分に議論されてこなかった田中敦子、金山明作品の特質を丁寧に考察し、具体研究に新たな視点を提起する。戦後日本前衛美術の潮流にも目を向け、ミシェル・タピエの提唱したアンフォルメル受容の観点から「具体美術宣言」理解を試みる。具体のリーダーである吉原治良の「物質」観や「具体」概念についての思考の過程をも明らかにし、その源流をたどることで、今後の研究のための枠組みを提示した。巻末には田中敦子が自作を語った貴重なインタビューも収録。

目次

第1章 具体美術協会および田中敦子の先行研究
第2章 “電気服”から見た田中敦子作品
第3章 田中敦子の「絵」―絶え間ない構造の変換と身体との結びつき
第4章 金山明による作品の特質―空間をめぐる思索と実践
第5章 金山明の電動機器による描画の誕生―白髪一雄との対照性
第6章 田中敦子の1950年代半ばにおける金山明との関わり
第7章 アンフォルメルと吉原治良
第8章 吉原治良の「物質」をめぐる思考と「具体」概念の形成
第9章 田中敦子、金山明、吉原治良の関係の推移

著者紹介

加藤 瑞穂 (カトウ ミズホ)  
美術史家。博士(文学)。芦屋市立美術博物館学芸員(1993‐2011年)を経て、大阪大学総合学術博物館招へい准教授。専門は近現代美術史。カナダの美術史家ミン・ティアンポと共同企画したElectrifying Art:Atsuko Tanaka 1954‐1968(2004‐05年)で、翌年2004‐05 AICA‐USA(国際美術評論家連盟アメリカ支部)アワード「ニューヨーク市内で開かれた美術館での個展部門」第二席(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)