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電力危機 私たちはいつまで高い電気代を払い続けるのか?

星海社新書 251

出版社名 星海社
出版年月 2023年2月
ISBNコード 978-4-06-530311-5
4-06-530311-7
税込価格 1,375円
頁数・縦 269P 18cm

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要旨

2022年12月以降、東北電力、東京電力ホールディングスなど電力大手7社は経済産業省に電気料金の値上げを申請した。ロシアによるウクライナ侵攻を受けて燃料価格が高騰したことなどから、電気料金への価格転嫁が検討されているのだ。しかし、現在の日本の電気料金高騰の背景は、もっと複雑なようだ。本書は、危機的状況にある日本の電力事情について、電気とは何かという基本から説き起こし、なぜ電力不足や価格高騰が起きているのかを解説している。電気は貯めておくことができないため、つねに需要と供給を一致させる必要がある。しかし東日本大震災後、原子力発電所が稼働できなくなり、再生可能エネルギー電源の導入が進み、送配電分離によって電力の供給責任の所在が不明確になったことなど複数の要因から、とくに東京エリアの電力供給システムは需給逼迫を起こすようになっている。著者は再生可能エネルギーについてのコンサルティングとともに、著述活動やメディア出演を行っている。1981年東京都生まれ。経済産業省の新エネルギー・産業技術総合開発機構で電機・IT分野の国家プロジェクトの立案およびマネジメントを担当したのち、2012年に退職。現在に至る。
※要旨の情報〔社会情勢、著者経歴など〕は、作成日当時のものです。
以降内容が変わっている場合があります。[要旨作成日:2023年4月11日]

商品内容

要旨

現在、日本の電力事情は危機的状況にある。エネルギー不足を受けて電気代はかつてなく高騰し、電力不足を告げる警報も一度ならず発出されている。日本経済の未来に大きな影響を及ぼしかねないこの惨状は、2011年の東日本大震災以降、具体的なビジョンなきままに進められた日本の電力改革が行き着いた必然の結果である。本書では、1世紀以上にわたり発展してきた電力産業の現在までの歩みを概観し、日本が今後直面する危機の実情を明らかにするとともに、エネルギー業界の第一線でコンサルティングを行う著者が実地で練り上げた、今こそ日本が取るべきエネルギー戦略を提案する。

目次

第1章 なぜ今電力不足が起きているのか(そもそも「電気」とは何か
「エネルギー」とは何か
電気はどういうエネルギーか ほか)
第2章 9電力体制はどのように誕生したか(「電力王」福澤桃介と「電力の鬼」松永安左エ門
「拝金主義者」福澤桃介と「実業家」松永安左エ門のタッグ誕生
安佐エ門、北九州にて電力会社の科学的経営を確立する ほか)
第3章 電力自由化はなぜ上手くいっていないのか(9電力体制と原子力発電
石油危機と9電力体制の綻び
電力自由化による9電力のコスト意識の高まりと石炭回帰 ほか)
第4章 電力の未来はどうなるか(現状認識1:電力システム改革は今のところ上手くいっていない
現状認識2:東日本の電力不足は長期化するが、それ自体は大きな問題ではない
現状認識3:電力料金はまだ上がる、これは大問題である ほか)

出版社・メーカーコメント

今、日本の電力危機は国を滅ぼしかねない死活問題だ。経済産業省と再生可能エネルギー業界を知悉した著者が語る電力業界の危機と提言!

著者紹介

宇佐美 典也 (ウサミ ノリヤ)  
制度アナリスト。1981年東京都生まれ。東京大学経済学部卒業後、経済産業省に入省し、企業立地促進政策などに携わる。在職中にブログ「三十路の官僚のブログ」で注目を集める。新エネルギー・産業技術総合開発機構で電機・IT分野の国家プロジェクトの立案およびマネジメントを担当したのち2012年に退職。現在は太陽光発電などの再生可能エネルギーについてのコンサルティングとともに、著述活動やメディア出演を行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)