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なぜ私たちは存在するのか ウイルスがつなぐ生物の世界

PHP新書 1349

出版社名 PHP研究所
出版年月 2023年4月
ISBNコード 978-4-569-85418-2
4-569-85418-4
税込価格 1,100円
頁数・縦 228P 18cm

商品内容

要旨

ウイルス学者は、ウイルスを作り出すことができる。ウイルスのDNAをプラスミドというDNAに入れて、増殖させるのである。あくまで物質であるDNA(デオキシリボ核酸)を、「生命の場」である細胞に入れるとウイルスとなる。まるで生物と物質の境界を行き来するような試みである。さらにウイルスは、ある動物のDNAを別種の動物に運ぶことがある。一方、人間の腸内には約1000種もの細菌が住んでおり、人体のことを「超個体」と呼ぶ人もいる。このような例を考えると、生物は全体で「生命の場」を作り上げ、私たちは関係性の中で生きているといえるのではないか。生物という存在の不思議に迫る意欲作。

目次

第1章 ウイルスを作る―ウイルスは物質なのか生物なのか?
第2章 病原性ウイルスの研究
第3章 ウイルスを排除することはできるか?―天然痘を撲滅できた数多くの幸運
第4章 細胞間情報伝達粒子がウイルスになった?―エクソソームがウイルスの起源なのか
第5章 レトロウイルスの起源と本来の役割
第6章 遺伝子の平行移動(ラテラル・ジーン・トランスファー)
第7章 現代のコアラはタイムマシーンか―種の壁を越えていくウイルスの現場
第8章 なぜ小さな恐竜も絶滅したのか?
第9章 場と生命、そして宇宙

出版社・メーカーコメント

覚悟のウイルス学者が、異種の生物の間での遺伝子の移動やウイルスがもたらすDNAの変化に着目して新たな生物観を示す。

著者紹介

宮沢 孝幸 (ミヤザワ タカユキ)  
京都大学医生物学研究所准教授。1964年東京都生まれ。兵庫県西宮市出身。東京大学農学部畜産獣医学科にて獣医師免許を取得。同大学院で動物由来ウイルスを研究。東大初の飛び級で博士号を取得。大阪大学微生物研究所エマージング感染症研究センター助手、帯広畜産大学畜産学部獣医学科助教授などを経て現職。日本獣医学学会賞、ヤンソン賞を受賞。2020年、新型コロナウイルス感染症の蔓延に対し、「100分の1作戦」を提唱して注目を浴びる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)