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幽霊ホテルからの手紙

出版社名 文藝春秋
出版年月 2023年4月
ISBNコード 978-4-16-391690-3
4-16-391690-3
税込価格 2,145円
頁数・縦 350P 19cm

商品内容

要旨

女優から託された木匣を手に幽霊客桟を訪ねた作家―。12通の手紙が物語る狂気と惨劇とは?

出版社・メーカーコメント

ある雨の夜、若い警察官・葉?(イエシャオ)の家を、幼馴染の作家の周旋(ジョウシュエン)が訪ねてくる。周旋は思いつめた様子で、木の小箱を取り出す。ある夜、バスで隣り合わせた血だらけの美しい女性・田園(ティエンユエン)から預かったという。しばらく仕事で上海を留守にしていた周旋が田園を訪ねると、警備員から彼女は心臓発作で亡くなったと告げられた。周旋が自宅に戻ると留守電に彼女のメッセージが入っていた。「あの箱を幽霊旅館に届けて。場所は……」と途中で切れており、発作を起こして電話をかけ、途中で亡くなったと思われた。 周旋は、小箱を届けたいので田園の身元を調べてほしいと葉?に頼む。葉?が調べてみると、田園は実力と美貌を兼ね備えた伝統演劇の女優で、一時は大変な人気だったが、3年前、公演中に心臓病の発作で倒れ、それ以来ひっそりと暮らしていた。病は悪化し、死を予感して苦しんでいたらしく、精神科にも通院していたことがわかった。 葉?の調べで、幽霊旅館は浙江省K市西冷鎮にあることがわかり、周旋は木箱を携えて旅立つ。やがて葉?はのもとに、周旋から手紙が届くようになる。幽霊旅館では電気も電話も使えず、近くの集落の郵便ポストから手紙を出すしかないが、旅館で手紙を受け取ることはできないから、一方的に書くことにするというのだ。 そこで語られる幽霊旅館での謎の人々との日々、やがて幽霊騒動が持ち上がり……。幽霊旅館に滞在している人々の事情も正体も二転三転し、誰のいうことが本当なのかわからない。私たち読者は、謎が解けては深まる「藪の中」へと誘われていく! 〈中国のスティーヴン・キング〉と呼ばれる?疑小?(サスペンス小説)の第一人者にして、累計発行部数1千万部を超える大ベストセラー作家が放つ、巧緻を極めたサスペンスホラー!

著者紹介

蔡 駿 (サイ シュン)  
1978年上海市生まれ。22歳で小説の発表を始める。中国のサンペンス小説の第一人者で、その全作品の累計発行部数は1500万部におよぶ。その作風は古風な怪談のような作品からよりミステリー色の強いものまでバリエーションに富み、いずれもスプラッター的に恐怖をあおるものではなく、心理的に恐怖感を醸成し、独特の美学に貫かれている。「中国のスティーヴン・キング」と呼ばれ、本人もキングを愛読していることを公言している。多くの作品が英語、ロシア語、韓国語、タイ語、ベトナム語などに翻訳され、映像化されたものも多数ある
舩山 むつみ (フナヤマ ムツミ)  
東北大学文学部文学科(フランス文学専攻)卒業、慶應義塾大学法学部政治学科卒業。日経国際ニュースセンター、スイス大使館などを経て、翻訳者(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)