DEEP LIFE海底下生命圏 生命存在の限界はどこにあるのか
ブルーバックス B−2231
出版社名 | 講談社 |
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出版年月 | 2023年5月 |
ISBNコード |
978-4-06-531933-8
(4-06-531933-1) |
税込価格 | 1,210円 |
頁数・縦 | 270P 18cm |
書籍ダイジェスト配信サービス SERENDIP 厳選書籍 要旨 「海底下」、すなわち深海の底のさらに下、マリンスノーや泥が堆積した層の中がどうなっているか想像できるだろうか。堆積速度が1000年で5センチメートルの場合、海底下1メートルにある堆積物さえ2万年も前に積もったものだ。高圧で栄養もほとんどない場所だが、そこには、多くの微生物が暮らしている。本書は、深海底を掘削する海洋科学掘削の歴史や成果、また著者自身が参加した代表的な海底下生命圏掘削調査プロジェクトの科学的成果等を踏まえ、海底下の生命圏とそこに暮らす微生物について詳述する。海底下の微生物は、生きるために必要なエネルギーを極限まで抑えた「エコ」な生活を送っている。地表の微生物とはまったく異なる系統で、40億年以上も前から独自の進化を遂げた生命だという。海底下1,000メートル超の高圧かつ110~120℃の高温の環境にも、超好熱性微生物生態系が存在していることなどが紹介されている。著者は、地球微生物学を専門とする農学博士。海洋研究開発機構(JAMSTEC)SIP海洋玄武岩CCS基礎調査研究プロジェクト長・上席研究員。東北大学大学院理学研究科教授、早稲田大学ナノ・ライフ創新機構研究院客員教授、高知大学大学院総合人間自然科学研究科客員教授を兼任。 |
商品内容
要旨 |
これまで生命は存在しないとされていた地下深部の世界。しかし、海底堆積層から膨大な数の微生物が発見された。海底下1000メートル以上、数千万年の時を経た、極限的な地質環境に生息する微生物たち。生命の限界、そして生命存在の謎に挑む海洋科学掘削調査、最前線の研究を紹介します。 |
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目次 |
第1章 海底下の住人はだれ?―世界初の海底下生命圏掘削調査 |
出版社・メーカーコメント
これまで生命が存在しないと思われていた「海底地下の世界」。しかし、そこには地上を超える豊かな「生命圏」が広がっていた!海底下の掘削調査で採取された「地質コア試料」から発見されたさまざまな微生物群。・微生物たちはいつからそこにいて?・なにから栄養を摂っているのか?・なぜ超高温・超高圧(アッチアチのカッチカチ)の世界に耐えられのか?これらの謎を追っていくと、そこには、これまで考えられていた生命観とは違った「生命システム」が見えてきます!海底下深部からの地質コア試料から培養された古細菌(アーキア)には、御年・数千万歳を超えるものも!!120度以上の高温、海底下2000メートルの高圧世界でも生き続ける!食べるものがない「超貧栄養状態」を微生物たちは、どのようにサバイブしているのか!?微生物の生命維持の限界はどこにあるのか?地球科学はもちろん、生命の起源やその存続の謎へと迫っていくサイエンスのおもしろさを、実際に行われた「海底下生命圏科学掘削調査」の歴史とともに臨場感あふれる筆致で紹介していきます。著者は、大学院生時代に出逢った科学誌「science」に掲載された「海底下地質サンプルからの微生物発見」の論文に衝撃を受け、その後、さまざまな科学掘削調査に参加、さらに海洋研究開発機構(JAMSTEC)が運用する地球深部探査船「ちきゅう」の調査航海を指揮しながら、極限環境に生きる微生物の調査を行っている研究者です。海底地下の世界から「生命とは何か」という根源的な問いをもとに、「地球−生命システム」という大きな展望へと広がっていく、サイエンスのフロティアを紹介します!