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おどるでく 猫又伝奇集

中公文庫 む33−1

出版社名 中央公論新社
出版年月 2023年6月
ISBNコード 978-4-12-207383-8
4-12-207383-9
税込価格 1,320円
頁数・縦 411P 16cm

商品内容

要旨

カフカ、ボルヘス、ジョイスといった先達を読み/書くことを通して、日本という「辺境」から世界文学の最前線へ。詩と小説と批評の三位一体を追求した現代文学の比類なき精華がここに―。芥川賞受賞時に議論を呼んだ伝説の表題作ほか、故郷・会津を舞台(=猫又)とした短篇を集成。文庫オリジナル。

出版社・メーカーコメント

《あらゆる翻訳は最終的に原作の行間にただようおどるでくを読者の心底にうつすことを目的とするといっていいだろう。そのうつし方は、病気をうつすようにしてなされる。私は再度キリシタン版の中にうつし方の現場をさがしにゆく。おどるでくをうつされるのを好む人は何よりも「写す」行為をいやがらないと露文氏はいっている。》カフカ、ボルヘス、ジョイスといった先達を読み/書くことを通して、日本という「辺境」から世界文学の最前線へ。詩と小説と批評の三位一体を追求した現代文学最高の精華が、ここに再生する――。辻原登氏町田康氏多和田葉子氏推薦!表題作は第111回芥川賞(1994)を受賞しながらも、その余りに独特な内容と形態によって「はたしてこれは小説なのか?」と読み巧者の間でも賛否両論を巻き起こした伝説の傑作。そのほか、著者の故郷・南会津を舞台にした関連作を「猫又」サーガとして初集成/初文庫化。古今東西の博識を呼び込み、「言語」と「小説」そのものの謎を探究する室井光広の目眩くテクストによって、日本語文学は何を目指し、何を実現したのか。遺作『エセ物語』へのイントロダクションともなる、まさに「室井入門」として最適な一冊。今こそ、時代は室井光広に追いつくことができるか――?【目次】[本編]猫又拾遺(1991)あんにゃ(1992)かなしがりや(1993)おどるでく(1994)大字哀野(1994)和らげ(1996)(初書籍化作品)[巻末資料]インタビュー 室井光広氏と語る(1995)単行本版あとがき巻末エッセイ=多和田葉子「海に向かえ山に向かえ言葉に向かえ」解題=川口好美

著者紹介

室井 光広 (ムロイ ミツヒロ)  
1955年1月、福島県南会津生まれ。早稲田大学政治経済学部中退、慶應義塾大学文学部哲学科卒業。88年、ボルヘス論「零の力」で群像新人文学賞受賞。94年、「おどるでく」で第一一一回芥川賞受賞。2012年、文芸雑誌「てんでんこ」を創刊し第一二号まで刊行。19年9月、死去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)