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シン・男がつらいよ 右肩下がりの時代の男性受難

朝日新書 916

出版社名 朝日新聞出版
出版年月 2023年7月
ISBNコード 978-4-02-295220-2
4-02-295220-2
税込価格 935円
頁数・縦 233P 18cm

商品内容

要旨

男たちは支配「している」のではなく、支配「されている」―。「男らしさ」を求められる就活にはじまり、家庭では妻子を養いながらも軽んじられ、職場では同僚からも蔑視される。就活から定年後まで続く抑圧が、終わる日は来るのだろうか?1500人以上の男性の本音を引き出してきた筆者が、「男」の呪いにがんじがらめになる彼らの姿を描く、衝撃のルポルタージュ。本書に登場するのは、あなた自身であるかもしれない―。

目次

第1章 女性に虐げられる男たち(「女性優遇」が招く男性差別
「活躍」妻の不貞を知らぬフリ
「専業主婦」妻のDV
「女性は被害者」が男を追い詰める)
第2章 男性に蔑まれる男たち(定年後雇用で「奈落の底」
同期に“刺された”フラリーマン
“育メン戦士”の罠
「男」の価値観に翻弄される氷河期世代
“敗者”男性が多数派の時代)
第3章 母親に操られる男たち(“無償の愛”という名の支配
「マザコン」中年の末路
母の亡霊と生きる
母親に依存する男性の苦悩)
第4章 「親」の代償を払わされる男たち(「就活セクシズム」の衝撃
上司の「常識」は社会の「非常識」
「男は仕事、女は家庭」両親は反面教師のはずが…
若年層を蝕む古い価値観)
第5章 誰も支配されない社会に向けて(「男らしさ」の呪い
幸福度の低い日本の男たち
男性間の支配構造
なぜ母親に回帰するのか
世代を超えた負の連鎖
生きづらさが職場に与える悪影響
「男」の呪いを解くには
男性のためのジェンダー平等政策)

出版社・メーカーコメント

追い詰められれば、追い詰められるほど 「強さ」にすがる。それこそが男の呪縛―― 深刻化する新時代の「男性抑圧」ルポ 実質賃金は下がり続け、行き過ぎた女性登用でポストを追われ、ハラスメントの訴えに怯える男たち。 就活では「ガッツ」を求められ、家事や育児に励めば出世コースから外され、左遷や定年で権力を失えば居場所なく、誰にも弱音を吐けず……。 「強くあってこそ男」「稼いでこそ男」という性規範から逃れられない一方、厳しくなる世間の目にさらされ、男性の生きづらさが深刻化している。 20年以上、1500人に取材してきた詳細ルポを通して、日本企業の弊習や内面化された「男らしさ」の呪縛の深さを浮き彫りにし、欧米に大きく立ち遅れている男性のためのジェンダー平等政策を、日本でどう進めていくべきかについても提案している。 真のジェンダー平等実現に向け、多角的に考える。

著者紹介

奥田 祥子 (オクダ ショウコ)  
京都市生まれ。近畿大学教授、ジャーナリスト。博士(政策・メディア)。元読売新聞記者。慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科博士課程単位取得退学。専門は労働・福祉政策、ジェンダー論、医療社会学。2000年代初頭から社会問題として俎上に載りにくい男性の生きづらさを追い、「仮面イクメン」「社会的うつ」「無自覚パワハラ」など斬新な切り口で社会病理に迫る。取材対象者一人ひとりへの20数年に及ぶ継続的インタビューを行っている(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)