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動物たちは何をしゃべっているのか?

出版社名 集英社
出版年月 2023年8月
ISBNコード 978-4-08-790115-3
4-08-790115-7
税込価格 1,870円
頁数・縦 221P 19cm

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要旨

ペットと暮らしていると、動物でも人間の言葉を理解しているのでは、と感じられることがよくあるという。近年の動物の認知やコミュニケーションに関する研究によると、動物たちは互いに、われわれが想像するよりも複雑なメッセージをやりとりしているという。動物はどんな言葉を使っているのだろうか。本書では、野鳥のシジュウカラの言葉を解明した気鋭の研究者である鈴木俊貴氏と、ゴリラの研究で知られる著名な霊長類学者にして京大前総長の山極寿一氏が、動物のコミュニケーション、ヒトの言葉の起源などについて、最新の知見を紹介しながら語り合っている。鈴木氏は、終日森に籠り、シジュウカラと同じ環境に身を置くことで、シジュウカラが何を考え、どのように世界を見ているのか、想像できるようになったという。そして実験により鳥類でありながらその言葉に「文法」があることを発見した。著者の山極寿一氏は現在、総合地球環境学研究所所長を務める。鈴木俊貴氏は東京大学先端科学技術研究センター准教授。2022年8月、国際学会で「動物言語学」の創設を提唱した。
※要旨の情報〔社会情勢、著者経歴など〕は、作成日当時のものです。
以降内容が変わっている場合があります。[要旨作成日:2023年9月22日]

商品内容

要旨

つい最近まで、動物には複雑な思考はないとされ、研究もほとんどされてこなかった。ところが近年、動物の認知やコミュニケーションに関する研究が進むと、驚くべきことが分かってきた。動物たちは何を考え、どんなおしゃべりをしているのか?シジュウカラになりたくて年の半分以上を森で暮らす研究者と、ゴリラになりたくて群れの中で過ごした研究者が、最新の知見をこれでもかと語り合う。そして、その果てに見えたヒトの本質とは!?

目次

1 おしゃべりな動物たち(動物たちはおしゃべりだった
動物たちも会話する ほか)
2 動物たちの心(音楽、ダンス、言葉
タイタスの思い出 ほか)
3 言葉から見える、ヒトという動物(インデックス、アイコン、シンボル
手を使うヒト ほか)
4 暴走する言葉、置いてきぼりの身体(夜に生きたヒトの先祖
鳥とヒトとの共通点 ほか)

出版社・メーカーコメント

つい最近まで、動物には複雑な思考はないとされ、研究もほとんどされてこなかった。ところが近年、動物の認知やコミュニケーションに関する研究が進むと、驚くべきことが分かってきた。例えば、小鳥のシジュウカラは仲間にウソをついてエサを得るそうだ。ほかにも、サバンナモンキーは、見つけた天敵によって異なる鳴き声を発して警告を促すという。動物たちは何を考え、どんなおしゃべりをしているのか? シジュウカラの言葉を解明した気鋭の研究者・鈴木俊貴と、ゴリラになりたくて群れの中で過ごした霊長類学者にして京大前総長の山極寿一が、最新の知見をこれでもかと語り合う。話はヒトの言葉の起源、ヒトという生物の特徴、そして現代社会批評へと及ぶ。そして、その果てに見えた、ヒトの言語にしかない特徴は?■内容紹介■Part1 おしゃべりな動物たち動物たちも会話する/ミツバチの「言葉」/動物の言葉の研究は難しい/言葉は環境への適応によって生まれた/シジュウカラの言葉の起源とは?/文法も適応によって生まれたetc.Part2 動物たちの心音楽、ダンス、言葉/シジュウカラの言葉にも文法があった/ルー大柴がヒントになった/とどめの一押し「マージ」/言葉の進化と文化/共感するイヌ/動物の意識/シジュウカラになりたい/人と話すミツオシエetc.Part3 言葉から見える、ヒトという動物アイコン、インデックス、シンボル/言葉を話すための条件/動物も数が分かる?/動物たちの文化/多産化と言葉の進化/人間の言葉も育児からはじまった?/音楽と踊りの同時進化/俳句と音楽的な言葉/意味の発生/霊長類のケンカの流儀/文脈を読むということetc.Part4 暴走する言葉、置いてきぼりの身体鳥とヒトとの共通点/鳥とたもとを分かったヒト/文字からこぼれ落ちるもの/ヒトの脳は縮んでいる/動物はストーリーを持たない/Twitterが炎上する理由/言葉では表現できないこと/バーチャルがリアルを侵す/新たな社交/人間とはどういう動物なのか?etc.

著者紹介

山極 寿一 (ヤマギワ ジュイチ)  
総合地球環境学研究所所長。日本モンキーセンター・リサーチフェロー、京都大学霊長類研究所助手、同大学理学研究科助教授、教授、理学部長、理学研究科長を経て、2020年9月まで京都大学総長を務める。日本霊長類学会会長、国際霊長類学会会長、国立大学協会会長、日本学術会議会長、内閣府総合科学技術・イノベーション会議議員、環境省中央環境審議会委員を歴任。2020年4月より現職。鹿児島県屋久島で野生ニホンザル、アフリカ各地でゴリラの行動や生態をもとに初期人類の生活を復元し、人類に特有な社会特徴の由来を探っている
鈴木 俊貴 (スズキ トシタカ)  
東京大学先端科学技術研究センター准教授。立教大学にて博士号を取得後、日本学術振興会特別研究員SPD、京都大学生態学研究センター機関研究員、東京大学大学院総合文化研究科助教、京都大学白眉センター特定助教などを経て、2023年より現職。日本動物行動学会賞、日本生態学会宮地賞、文部科学大臣表彰若手科学者賞など受賞歴多数。シジュウカラ科に属する鳥類の行動研究を専門とし、特に鳴き声の意味や文法構造の解明を目指している。英・動物行動研究協会と米・動物行動学会が発行する学術誌『Animal Behaviour』の編集者なども務める。2023年4月に東京大学にて世界初の動物言語学分野を創設。『動物たちは何をしゃべっているのか?』が初の著書となる(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)