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タイパの経済学

幻冬舎新書 ひ-11-1

出版社名 幻冬舎
出版年月 2023年9月
ISBNコード 978-4-344-98708-1
4-344-98708-X
税込価格 1,056円
頁数・縦 227P 18cm

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要旨

「タイパ」という言葉を耳にする機会が多くなった。「若者言葉」の一つと認識している人も多いだろう。ネットで配信された映画やドラマを倍速で、あるいは「ファスト映画」と呼ばれる違法アップロードの要約版を視聴したりする人が目立つようだ。タイパが重視される風潮の背景には何があるのだろうか。本書では、タイムパフォーマンス(時間対効果)を略した造語である「タイパ」に焦点をあて、それを追求するメディア視聴や消費行動の理由、背景にある意識変化などについて、消費文化論の視点から考察している。タイパの性質の一つに「手間をかけずに○○の状態になる」があり、例えば「オタク」とみなされるためにタイパを追求するケースもあるという。著者はニッセイ基礎研究所生活研究部研究員。大学院博士課程を経て2019年ニッセイ基礎研究所に入社。10年以上にわたってオタクの消費欲求の源泉を研究している。
※要旨の情報〔社会情勢、著者経歴など〕は、作成日当時のものです。
以降内容が変わっている場合があります。[要旨作成日:2023年11月14日]

商品内容

要旨

Z世代を中心に、コスパならぬ「タイパ」(時間対効果)の追求が当たり前となった。時短とは異なり、「限られた時間でより多く」「手間をかけずに観た(経験した)状態になりたい」という欲求が特徴で、モノやコンテンツをコミュニケーションの“きっかけ”“手段”ととらえているという。背景にはサブスクの普及、動画のショート化などの環境変化と、「時間を無駄にしたくない」「いますぐ詳しく(=オタクに)なりたい」といった意識の変化がある。もはや純粋に消費を楽しむことはできないのか?一見不合理なタイパ追求の現実を、気鋭の研究者がタイパよく論じる。

目次

第1章 タイパの正体(「コスパがいい」と感じる3つのパターン
コスパは主観である ほか)
第2章 「消費」されるコンテンツ(動画サブスクの圧倒的コンテンツ量
タイパを追求しやすく進化したプラットフォーム ほか)
第3章 Z世代の「欲望」を読み解く(「4割以上」が事前にネタバレを踏む
映画館はタイパが悪い ほか)
第4章 タイパ化するマーケット(マクドナルド化する社会
タイパはかつて「時短」だった ほか)
第5章 タイパ追求の果てに(必要不可欠な消費
タイパの「合理性」を実現させているもの ほか)

出版社・メーカーコメント

Z世代を中心に、コスパならぬ「タイパ」(時間対効果)の追求が当たり前となった。時短とは異なり、「限られた時間でより多く」「手間をかけずに観た(経験した)状態になりたい」という欲求が特徴で、モノやコンテンツをコミュニケーションの“きっかけ”“手段”ととらえているという。背景にはサブスクの普及、動画のショート化などの環境変化と、「時間を無駄にしたくない」「いますぐ詳しく(=オタクに)なりたい」といった意識の変化がある。もはや純粋に消費を楽しむことはできないのか? 一見不合理なタイパ追求の現実を、気鋭の研究者がタイパよく論じる。

著者紹介

廣瀬 涼 (ヒロセ リョウ)  
本来の表記は廣〓涼。ニッセイ基礎研究所生活研究部研究員。大学院博士課程を経て2019年、ニッセイ基礎研究所に入社。専門は現代消費文化論。「オタクの消費」を主なテーマとし、一〇年以上にわたってオタクの消費欲求の源泉を研究している。昨今は自身の経歴を活かして若者(Z世代)の消費文化についても研究を行い、講演や各種メディアで発表している。NHK『おはよう日本』、テレビ朝日『羽鳥慎一モーニングショー』、TBSテレビ『マツコの知らない世界』などで若者のオタク文化について制作協力(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)