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実験の民主主義 トクヴィルの思想からデジタル、ファンダムへ

中公新書 2773

出版社名 中央公論新社
出版年月 2023年10月
ISBNコード 978-4-12-102773-3
4-12-102773-6
税込価格 1,100円
頁数・縦 309P 18cm

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要旨

デジタル化の進展により社会が大きく変わろうとする一方で、先進諸国で分断の進行が指摘されることも多い。十分に民主化されているとはいえない大国が勢力を拡大している現実もある。はたして、民主主義は持続可能なのか。それを考える上で、民主主義の黎明期の思想を振り返ることが有効かもしれない。本書では、フランスの貴族で政治思想家のアレクシ・ド・トクヴィル(1805-1859)の著作をヒントに、現代社会におけるデジタル化やファンダムなどの現象に結びつけながら、民主主義の本質に迫る。著名な政治哲学者に、「WIRED」日本版元編集長のジャーナリストが質問する形式で、21世紀日本と19世紀欧米の接点を探っている。南北戦争前の1831年にアメリカを訪れたトクヴィルは、同国における、身分による階層を排除した「平等化」に、民主主義の本質を見出した。著者の宇野重規氏は、東京大学社会科学研究所教授で、政治思想史、政治哲学を専門とする。聞き手の若林恵氏は、平凡社「月刊太陽」編集者、「WIRED」日本版編集長を経て2000年に独立。2018年黒鳥社を設立。なお、本文では「──」から始まる段落が若林氏の、それ以外が宇野氏の発言である。
※要旨の情報〔社会情勢、著者経歴など〕は、作成日当時のものです。
以降内容が変わっている場合があります。[要旨作成日:2023年12月12日]

商品内容

要旨

デジタルが社会を一変させるなか、政治は分断を生み、機能不全が深刻だ。なぜ私たちは民主主義を実感できないのか?本書は、19世紀の大転換期を生きたトクヴィルの思索と行動を手がかりに、平等・結社・行政・市民のイメージを一新し、実験的な民主主義像を描き出す。新しい技術が人々の想像力を変えた歴史を捉え、民主主義論の第一人者がフランス革命・アメリカ建国後の政治史を解説。AI時代の社会像と人間像を探究する。

目次

第1章 「平等化」の趨勢
第2章 ポストマンと結社
第3章 行政府を民主化する
第4章 「市民」とは誰か
第5章 分断を超えるプラグマティズム
第6章 「手」の民主主義
第7章 感情と時間の政治へ

著者紹介

宇野 重規 (ウノ シゲキ)  
1967年東京都生まれ。専門は、政治思想史、政治哲学。東京大学法学部卒業。同大学大学院法学政治学研究科博士課程修了。千葉大学法経学部助教授などを経て、東京大学社会科学研究所教授。著書『政治哲学へ』(東京大学出版会、渋沢・クローデル賞特別賞)、『トクヴィル』(講談社学術文庫、サントリー学芸賞)、『民主主義とは何か』(講談社現代新書、石橋湛山賞)など
若林 恵 (ワカバヤシ ケイ)  
1971年生まれ。平凡社『月刊太陽』編集部、『WIRED』日本版編集長を経て、2000年に独立。雑誌、書籍、展覧会の図録などを多数手がける。音楽ジャーナリストとしても活動。2018年、黒鳥社設立(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)