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ダーウィンの呪い

講談社現代新書 2727

出版社名 講談社
出版年月 2023年11月
ISBNコード 978-4-06-533691-5
4-06-533691-0
税込価格 1,320円
頁数・縦 342P 18cm

商品内容

要旨

読み始めたら止まらない!サイエンスミステリーの傑作。ダーウィンが独創した「進化論」は、科学に革命を起こした一方で、3つの「呪い」を生み出した。

目次

第1章 進化と進歩
第2章 美しい仮説と醜い事実
第3章 灰色人
第4章 強い者ではなく助け合う者
第5章 実験の進化学
第6章 われても末に
第7章 人類の輝かしい進歩
第8章 人間改良
第9章 やさしい科学
第10章 悪魔の目覚め
第11章 自由と正義のパラドクス
第12章 無限の姿

出版社・メーカーコメント

ダーウィンを祖とする進化学は、ゲノム科学の進歩と相まって、生物とその進化の理解に多大な貢献した。一方で、ダーウィンが提唱した「進化論」は自然科学に革命を起こすにとどまらず、政治・経済・文化・社会・思想に多大な影響をもたらした。そして、悲劇的なことに、進化論を曲解した彼の後継者たちが「優生思想」という怪物を生み出した。〈一流の進化学者〉たちによって権威づけられた優生学は、欧米の科学者や文化人、政治家を魅了し、ついにはナチスの反ユダヤ思想とつながり「ホロコースト」という悲劇を生み出すことになる。第一線の進化学者の進化学の歴史に詳しい著者は、ダーウィンが独創した進化論は、期せずして3つの「呪い」を生み出したと分析する。「進歩せよ」を意味する〈進化せよ〉、「生き残りたければ、努力して闘いに勝て」を意味する〈生存闘争と適者生存〉、そして「この規範は人間社会も支配する自然の法則だから、不満を言ったり逆らったりしても無駄だ」を意味する、〈ダーウィンもそう言っている〉である。順に、「進化の呪い」「闘争の呪い」「ダーウィンの呪い」である。本来、方向性がなく、中立的な進化が、なぜひたすら「進歩」が続くと信じられるようになったのか。ダーウィンとその理解者、そしてその志を継いだ後継者たちが、いかにして3つの呪いにかけられていったのか。稀代の書き手として注目される著者が、進化論が生み出した「迷宮」の謎に挑む。第一章 進化と進歩第二章 美しい推論と醜い第三章 灰色人第四章 強い者ではなく助け合う者第五章 実験の進化学第六章 われても末に第七章 人類の輝かしい進歩第八章 人間改良第九章 やさしい科学第十章 悪魔の目覚め第十一章 自由と正義のパラドクス第十二章 無限の姿

著者紹介

千葉 聡 (チバ サトシ)  
東北大学東北アジア研究センター教授、同大学院生命科学研究科教授(兼任)。1960年生まれ。東京大学大学院理学系研究科博士課程修了。静岡大学助手、東北大学准教授などを経て現職。専門は進化生物学と生態学。著書『歌うカタツムリ―進化とらせんの物語』(岩波科学ライブラリー、2017年)で第71回毎日出版文化賞・自然科学部門を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)