知性改善論
講談社学術文庫 2755
出版社名 | 講談社 |
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出版年月 | 2023年12月 |
ISBNコード |
978-4-06-534276-3
(4-06-534276-7) |
税込価格 | 792円 |
頁数・縦 | 145P 15cm |
商品内容
要旨 |
ユダヤ人として生まれたバールーフ・デ・スピノザ(一六三二‐七七年)は、破門の憂き目に遭ったあと、デカルトやベーコンなどの哲学を踏まえながら「神」や「無限」について独自の哲学を紡ぎ始めた。のちの『エチカ』を予告する本書を執筆する過程でスピノザは「哲学者」となる。気鋭の研究者が最新の研究成果を取り入れながら完成させた画期的な新訳! |
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目次 |
読者に告ぐ |
出版社・メーカーコメント
本書は、主著『エチカ』で知られるバールーフ・デ・スピノザ(1632−77年)がその執筆活動の初期に残した代表作の一つです。従来『神、人間および人間の幸福にかんする短論文』が最も早い著作と考えられてきました。しかし、近年の研究では本書『知性改善論』こそ、1656年後半から61年前半に書かれた最初期の論考である、という説が有力になりつつあります。アムステルダムにユダヤ人として生まれ、ユダヤの教育を受けたものの、1656年には破門されるに至ったスピノザが、デカルトやベーコンの哲学を会得した上で、「神」について、無限なる属性としての思考と延長について独自の見解を紡ぎ、語り始めた、画期となる著作です。精神と全自然との合一の認識、永遠無限なるものへの愛、揺るぎない幸福の追求など、本書には『エチカ』のモチーフをはっきり見て取ることができます。おそらくは時間のなさゆえに本書は未完のまま放置されましたが、しかしその哲学は『エチカ』に引き継がれ、さらなる発展と深化を遂げていくことになります。その意味で、本書はスピノザが「哲学者」になる過程を記録した生々しいドキュメントであるとともに、著者自身による最良の『エチカ』入門でもあると言えるでしょう。『知性改善論』については、長らく畠中尚志訳(1931年、改訳1968年)が読み継がれてきました。本書は、気鋭の研究者が最新の研究成果を取り込みつつ、充実した訳注とともに「今日の日本語」でスピノザを読めるようにと全力で完成させた待望の新訳です。[本書の内容]読者に告ぐ〔導 入〕〔方法の規定〕〔方法の第一部〕〔方法の第二部〕訳 注文献一覧訳者解説