妻を亡くして三年、ひとり暮らしを続ける、小さな自動車修理工場の社長矢作雄造のもとに、事故で亡くなった息子秀一の元嫁の裕子と孫の悟が現れた。裕子が実家に戻って以来、八年も顔を合わせていなかったのに―。話を聞けば、雄造と一緒に働きたいという。秀一がなぜあんなに車好きだったのか、どうしても知りたくて、自動車整備士の資格を取ったらしい。雄造は悩んだ末に裕子の雇用を決めたものの、実は工場は経営難で…。倒産寸前の自動車工場の片隅に、ずっと置かれたままでいる一台の古びた車が、家族と工員たちの人生を燃焼させる、感動の再生物語。