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中国農村の現在 「14億分の10億」のリアル

中公新書 2791

出版社名 中央公論新社
出版年月 2024年2月
ISBNコード 978-4-12-102791-7
4-12-102791-4
税込価格 1,056円
頁数・縦 287P 18cm

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要旨

中国は、名目GDPにおいて米国に次ぐ世界第2位だ。その中国において、農村に暮らす農民やそこにルーツを持つ「農村関係人口」は全14億人中の10億人を占めるといわれる。中国の農村について知ることは、政治や経済について深く知るうえでも欠かせない。彼らは何を考え、どんな生活を送っているのか。
本書は、中国の農村の歴史を紀元前から振り返り、農民が現在も大切にする家族主義の精神や思考様式の起源を明かすとともに、彼らの日常や1990年代以降に広がった出稼ぎの実態などを紹介する。著者は、山奥の村落を訪れ、現地の農民の家に泊まり込んで、人々の暮らしぶりを調査しつつ、中国共産党中央の意図も浮き彫りにする。例えば、中国の農村では、同国の政治システムのなかで唯一「競争選挙」が行われているが、その狙いは「民主化」ではないようだ。なお、本書にある人名および県以下の地名はプライバシー保護のため仮名である。
著者は東京大学大学院総合文化研究科教授。1967年、広島県生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了、社会学博士。専攻は農村社会学、中国地域研究。新潟産業大学人文学部講師、東京大学大学院総合文化研究科准教授などを経て現職。
※要旨の情報〔社会情勢、著者経歴など〕は、作成日当時のものです。
以降内容が変わっている場合があります。[要旨作成日:2024年4月9日]

商品内容

要旨

経済発展めざましい中国。だが、農村部は置き去りにされていないか。出稼ぎの「農民工」は虐げられ、「留守児童」は劣悪な環境に置かれていないか。1990年代末から中国各地の農村でフィールドワークを重ねてきた著者が実態に迫る。家族の発展を何より重視する精神、末端幹部たちの奮闘、裏金が飛び交う村の選挙、習近平政権が進める都市化の本当の意味とは。現場で農民と酒を酌み交わし、初めて見えてくる実像。

目次

序章 中国農村の軌跡
第1章 市民との格差は問題か?―農民の思考様式
第2章 農村はなぜ崩壊しないのか?―村落生活の仕組み
第3章 なぜ村だけに競争選挙があるのか?―農村をめぐる政治
第4章 中国農村調査はなぜ失敗するのか?―「官場」の論理
第5章 農村は消滅するのか?―都市化政策と農村の変化
終章 中国農村の未来

出版社・メーカーコメント

経済発展めざましい中国。だが、取り残された農村部では不満が蓄積しているのではないか? 出稼ぎする「農民工」は虐げられ、「留守児童」は劣悪な環境に置かれているのでは? 1990年代末から中国各地の農村でフィールドワークを重ねてきた著者が実態に迫る。家族の発展を何より重視する精神、末端幹部たちの奮闘、裏金が飛び交う農村選挙、習近平政権が進める都市化の本当の意味−−現場で農民と酒を酌み交わして初めて見えてくる実像。

著者紹介

田原 史起 (タハラ フミキ)  
1967年、広島県生まれ。一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了。社会学博士。専攻は農村社会学、中国地域研究。新潟産業大学人文学部講師、東京大学大学院総合文化研究科准教授などを経て、2021年より同教授。著書『草の根の中国―村落ガバナンスと資源循環』(東京大学出版会、2019年、アジア・太平洋賞大賞、地域研究コンソーシアム研究作品賞)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)