• 本

繭の中の街

出版社名 双葉社
出版年月 2024年3月
ISBNコード 978-4-575-24719-0
4-575-24719-7
税込価格 1,870円
頁数・縦 317P 20cm

NetGalley 会員レビュー

書店関係者

おすすめ度おすすめ度★5

言葉が優しくこころを癒してくれる。読後、心に残った言葉の多さに驚く。普段見ないふりをしていた感情に気づかされてしまった。小説の中は、夕暮れに感じるもの悲しさと、夜明けを待つような期待感に満ちている。それは、あの日から復興し続ける「まち」の雰囲気ともよく合っていると思う。ノスタルジックな気持ちもそこに合わさり、とても心安らぐ読書時間となった。また、この小説は、そこに暮らす人々の出会いと別れの繋がりの記録でもある。改めて、今この瞬間を、この場所で生きている素晴らしさを思い出させてくれる素敵な物語だった。今年最初のおススメしたい一冊。

書店関係者

おすすめ度おすすめ度★5

著者の過去2作を読んできました。どちらも人と人のつながりが心にじわっと広がる良き物語でした。しかし、今作は全く毛色の違う不思議な作品だと思いました。根底に切なさが広がっていて、胸がギュッと苦しくなるような感覚でした。過去の思い出に浸るように、黄昏の中で物思いに耽るようなノスタルジックな気持ちにさせてくれました。なぜだか涙が溢れます。熾火のように、いつまでも心にとどまりそうなそんな作品になるなと思います。私は大好きです。

教育関係者

おすすめ度おすすめ度★5

幻想的で、切なく美しい、それぞれの物語に、あっという間に魅了されました。さまよっていた、自分の本当の心を見つけ、抱きしめるような人間ドラマ。その心の機微に、瑞々しく温かな気持ちがこみ上げます。細やかな感情が交錯し、辿り着いたラストに、穏やかな光に包まれました。

上記レビューの提供元:NetGalley(株式会社メディアドゥ)

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商品内容

要旨

惹かれ合う二人の逢瀬、刹那的な情事、異なる種族や神様との邂逅―神戸の街で生まれる様々な出逢いと同じ数だけある必然的な別れを描く。煌めく物語たちを閉じ込めた宝石箱。『レペゼン母』で衝撃デビューの気鋭の才能が放つ心震わす短編集!

出版社・メーカーコメント

歴史の中で多くの出会いを見届けてきた神戸の街を舞台に、様々な形の出会いと別れを描く傑作短編集。ある時は運命的な男女の出会いを、ある時は破滅的でさえある恋を、またある時はパラレルワールドに存在する神戸での不思議な邂逅を描く。読後感も、時にジャンルさえも全く異なる独立した物語たちである一方、それらは確かな繋がりを持ち、それぞれに響き合って世界を美しく彩る。読み終わった後、必ず誰かと語り合い、分かち合いたくなるような魅力に溢れた1冊。

著者紹介

宇野 碧 (ウノ アオイ)  
1983年神戸市出身。2022年、ラップバトルを通じて母と息子の対話を描いた『レペゼン母』で第16回小説現代長編新人賞を受賞しデビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)