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巴水の日本憧憬

新装版

出版社名 河出書房新社
出版年月 2024年3月
ISBNコード 978-4-309-25744-0
4-309-25744-5
税込価格 3,630円
頁数・縦 125P 26cm
シリーズ名 巴水の日本憧憬

商品内容

要旨

たしかにここに在った風景、もはやすべて幻となった。江戸と近代の狭間で、失われゆく風景を写し取った、版画家・川瀬巴水。大正・昭和期の日本を描いた春夏秋冬の作品40点と、林望の文章が、美しき過去へと誘う。

目次

春(井之頭の春の夜―絢爛たる静寂
品川―江戸の残影と近代の景色と ほか)
夏(こま形河岸―青竹、蒼穹、そして河風
佐渡相川町―夕映と老人 ほか)
秋(小浜堀川―名も無き場所、夕闇そして幽かな光
池上市之倉(夕陽)―今昔の感深し ほか)
冬(千束池―水すましとブリキ鬼
上州法師温泉―絵の中の巴水 ほか)

著者紹介

川瀬 巴水 (カワセ ハスイ)  
明治16(1883)年、東京市芝区露月町36番地(現港区新橋五丁目)に生まれる。伯父に仮名垣魯文がいた。巴水の父は糸組物職人で、長男であった巴水は家業を継ぐ予定であった。幼い頃から絵が好きで、武者絵や役者絵をよく眺めていたという。明治23(1890)年、桜川小学校に入学するが、12歳の頃、眼病を患って、小学校を退学する。眼の養生をしながらも画家を志した巴水は、明治30(1897)年に自宅から近い芝神明町の川端玉章門下の青柳墨川の塾に入り、写生の手ほどきなどを受けるが、周囲の反対にあい画業を断念する。明治41(1897)年、25歳のときに鏑木清方の門をたたく。清方より「巴水」の画号を与えられた。戦後はまとまった作品をつくることはなく、主に単独作品を手がけた。昭和32(1957)年、11月27日胃がんのため死去。享年74であった
林 望 (ハヤシ ノゾム)  
1949年東京生まれ。作家・国文学者。慶應義塾大学大学院博士課程満期退学。東横学園女子短期大学助教授、ケンブリッジ大学客員教授、東京藝術大学助教授等を歴任。専門は日本書誌学、国文学。1991年『イギリスはおいしい』で日本エッセイストクラブ賞を受賞、作家に。1992年『ケンブリッジ大学所蔵和漢古書総合目録』(P.コーニツキと共著、ケンブリッジ大学出版)で国際交流基金国際交流奨励賞受賞。その後エッセイ、小説、詩、評論など多分野にわたって著書多数。『謹訳 源氏物語』(全10巻・祥伝社)で毎日出版文化賞特別賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)