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翔ぶ女たち

出版社名 講談社
出版年月 2024年5月
ISBNコード 978-4-06-535527-5
4-06-535527-3
税込価格 1,760円
頁数・縦 214P 19cm

商品内容

要旨

ロングセラー『ケアの倫理とエンパワメント』『ケアする惑星』著者の最新作。明治から昭和にかけて活躍した小説家・野上弥生子。語学力や教養やケア実践を、弥生子はその先駆的な仕事にどう活かしたのか。「ケア」をテーマに研究を続けてきた英文学者の「私」が彼女の人生に惹かれた理由とは。文学、映画、アニメ、音楽…現代の表現者たちの言葉をつなげて語る斬新な評論。「私」と「あなた」をつなぐ抵抗とエンパワメントの物語を読み解く。

目次

1章 言葉の森を育てた女たち―松田青子と野上弥生子(松田青子の『英子の森』
「ファスト教養」と「レジリエンス」への抵抗 ほか)
2章 『エブエブ』と文学のエンパワメント―辻村深月と野生弥生子(規範から翔ぶエヴリン
辻村深月の『傲慢と善良』とウルフの「姿見のなかの婦人」 ほか)
3章 魔女たちのエンパワメント―『テンペスト』から『水星の魔女』まで(『水星の魔女』と“バックラッシュ”
“人間中心主義”から“生命中心主義”へ ほか)
4章 ザ・グレート・ウォー―女たちの語りに耳をすます(テイラー・スウィフトの反戦ソング
宮〓駿の『君たちはどう生きるか』 ほか)

出版社・メーカーコメント

英文学から、ケアの視点を通した社会批評まで、幅広く活躍を続ける小川公代氏。小川氏が惹かれてきた作家・翻訳家の野上弥生子(1885〜1985年)は、家父長制の時代にあって、当時の伸びやかな女子教育の場で教養を身につけ、英語を学び、優れた創作をつづけながら、一方では、家庭のケアを担う者として活動の制約も甘受した女性であった。英会話学校を家業とする家に生まれ育ち、生きるための技術、教養の糧として英語に向き合ってきた小川氏が、自身を、野上弥生子の生涯や活動に投影し、そこから派生するフェミニズムやケア、エンパワメントをめぐる問題を、さまざまな文学、映画、漫画などの作者、作品を通して語る批評の書である。次々と著者の脳裏に浮かぶイメージが繰り出される刺激的な書。

著者紹介

小川 公代 (オガワ キミヨ)  
1972年和歌山県生まれ。上智大学外国語学部教授。ケンブリッジ大学政治社会学部卒業。グラスゴー大学博士課程修了(Ph.D.)。専門は、ロマン主義文学、および医学史(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)