• 本

月花美人

出版社名 KADOKAWA
出版年月 2024年7月
ISBNコード 978-4-04-114864-8
4-04-114864-2
税込価格 2,145円
頁数・縦 317P 19cm

書店レビュー 総合おすすめ度: 全1件

  • 学びを通じて偏見や無知と対峙する、勇気ある人々の物語

    剣鬼と呼ばれた侍が、文字通り命をかけて、エリエールやロリエ並の生理用ナプキンの製造に挑む時代小説、滝沢志郎さんの『月花美人』。

    正直、男性である自分は、生理を扱う物語ということで、最初はちょっと読むのに気恥ずかしさもあったのですが。生理の話題に及び腰になる男性は自分以外にも少なくないはず。そして、それは主人公の望月鞘音も同じ。まじてや、生理は穢れと考えられてた江戸時代。
    当初は強い忌避感を覚えた望月鞘音も、しかし、彼はそこから学ぶことを選ぶ。生理とはどういったものなのか。生理を穢れと考える社会は果たして正しいのか。学びの先に、鞘音が見た光景とは…。

    本作は、学ぶことを通じて、自身の偏見や無知と対峙した勇気ある人々の物語。真正面から打たれました。

    (2025年4月1日)

商品内容

要旨

菜澄藩の郷士・望月鞘音は、姪の若葉との生活を少しでも楽にしようと、傷の治療に使う“サヤネ紙”を作っていたが、幼馴染の紙問屋・我孫子屋壮介から改良を頼まれる。町の女医者・佐倉虎峰の依頼らしいが、目的を明かさないので訝しく思うと、それは「月役(月経)」の処置に使うためであった。自分の仕事を穢らわしい用途に使われた、武士の名を貶められた、と激怒する鞘音だったが、時を同じくして初潮を迎えた若葉が「穢れ」だと村の子供にいじめられたことを知る。女性の苦境を目の当たりにした鞘音は迷いつつ、壮介や虎峰と協力し、「シモで口に糊する」と誹られながらも改良した完成品“月花美人”を売り出そうとするが―。己に恥じぬ生き方とは。落涙の医療時代小説!

出版社・メーカーコメント

菜澄藩の郷士・望月鞘音は、姪の若葉との生活を少しでも楽にしようと、傷の治療に使う〈サヤネ紙〉を作っていたが、幼馴染の紙問屋・我孫子壮介から改良を頼まれる。町の女医者・佐倉虎峰の依頼だというが、目的を明かさないので訝しく思うと、それは「月役(月経)」の処置に使うためであった。自分の仕事を汚らわしい用途に使われた、武士の名を貶められた、と激怒する鞘音だったが、時を同じくして初潮を迎えた若葉が「穢れ」だと村の子供に虐められたことを知る。女性の苦境を目の当たりにした鞘音は迷いつつ、壮介や虎峰と協力し、「シモで口に糊する」と誹られながらも改良した完成品〈月花美人〉を売り出そうとするが−−。己に恥じない生き方を問う、感動の医療時代小説!

著者紹介

滝沢 志郎 (タキザワ シロウ)  
1977年島根県生まれ。東洋大学文学部史学科卒業。テクニカルライターを経て、2017年『明治乙女物語』で第24回松本清張賞を受賞し小説家デビュー(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)