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二つ以上の世界を生きている身体 韓医院の人類学

出版社名 柏書房
出版年月 2024年9月
ISBNコード 978-4-7601-5567-5
4-7601-5567-8
税込価格 2,420円
頁数・縦 270P 19cm

商品内容

要旨

病院の医師の視線が患者よりモニターに向かう理由とは?韓医学の病名が西洋医学より曖昧になるのはなぜ?同じ「打つ」でも鍼と注射では何が違う?医療が一つでなければ、身体をめぐる真実も一つではない。当たり前だと思っていた景色が一変する学術ノンフィクション!西洋医学と韓医学。二つの医療が併存する韓国というフィールドを、人類学者が読み解く。メルロ=ポンティ、ドゥルーズ、フィリップ・デスコラ、エドゥアルド・コーンなどの知見も参照しつつ、“病む身体”とそれを取り巻く世界の複数性を臨場感たっぷりに描いた意欲作。

目次

1章 身体に関する真実は一つではない(人類学者、病院と韓医院に行く
東アジアの身体、西洋の身体)
2章 診断、身体を知る(初対面、診療室
対象の固定と、流れを読むこと
再び、診療室にて)
3章 医学用語、身体を述べる(病の名前
幾何学的な想像力と脈象の想像力
医学と美術、表現の問題
先行する枠組みと後行する定規)
4章 鍼、身体の可能性を手伝う(「治療」ではない「治」
自ら運行する身体
濃密なアナロジーのネットワーク
ネットワークを揺らす鍼)
5章 薬、身体の外にある存在と共に治を行う(二人の患者、二つの処方
製薬と処方
成分と薬性
人間的なるものを超えた存在と世界)
付言 用語解説、または用語解明

著者紹介

キム テウ (キム テウ)  
延世大学化学科を卒業後、米国ニューヨーク州立大にて文化人類学博士号を取得。現在は慶熙大学韓医科大学教授。伝統医療に関する医療人類学者として、社会文化と医療の相互関係、医療に内在する存在論および認識論を研究している
酒井 瞳 (サカイ ヒトミ)  
愛知県出身。東京外国語大学外国語学部朝鮮語学科を卒業後、大手総合人材サービス会社にて勤務。人材派遣部門の営業職として勤務する中で、働く女性の体調不良と漢方薬の相性に関心を持ち、大学院へ進学。東京外国語大学大学院にて修士号(学術)取得。大学院修了後、漢方薬局にて漢方相談員として勤務。結婚出産を経て現在は韓国語翻訳やWEBライティングに従事(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)